”売れすぎ注意”のワークマン、需要予測導入で、チャンスロス減少と追加生産に活かす

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 齋藤綾奈
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「アンバサダーマーケティング」で積極的な情報発信

 新たな試みとして、同社の商品のファンが口コミなどの情報発信をする「アンバサダーマーケティング」を取り入れている。社外で影響力のある著名なインフルエンサーを「製品開発アンバサダー」に任命し、アンバサダー50人とのコラボ企画を実施する。アンバサダーがSNSで発信して購買を促すだけにとどまらず、使用者目線を盛り込みながら共同で商品開発を行っていくという。

 加えて、SNSのワークマン公式アカウントを運用し、積極的に若年層とのコミュニケーションの機会を増やしていく。

販売機会ロスを下げてさらなる売上拡大をめざす

 ワークマンは、さらなる売上拡大を図るため、すでに369店舗で稼働している需要予測発注システムの導入店舗を増やしている。導入店舗の販売機会ロス率は、未導入店舗より3.2ポイント低い6.5%と一定の効果を確認している。

 これまで、シーズンの終わりごろになると、商品が完売してしまうケースが少なく、チャンスロスを抱えていた。そこで、需要予測発注システムを導入することにより、適時適量を店頭に揃える仕組みを整備して、売上の最大化を図る。また、商品の生産に関しても、同システムの導入により適切な生産量の計画を立てたり、追加供給になった際に対応できるようにリードタイムを短くしたり、生産体制を整えていくという。

 2020年3月期通期では、チェーン全店売上高1035億円(対前期比11.2%増)、営業利益150億円を計画しており、新規出店の加速やマーケティングの強化により、増収増益をめざす。

 

 

 

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