サミット×トモズが手がける、お客のQOL向上狙う「けんコミ」
「『食と健康』で地域のお客さまに寄り添う」をミッションに、住友商事(東京都/兵頭誠之社長)と、傘下の食品スーパー(SM)サミット(同/服部哲也社長)とドラッグストア(DgS)のトモズ(同/徳廣英之社長)が、「健康コミュニティコーナー(けんコミ)」をサミットの一部店舗で展開している。卸3社(国分グループ本社、東邦ホールディングス、大木ヘルスケアホールディングス)間の提携プロジェクト「サンフラワープロジェクト」と共同で実施するもの。取り組みを取材した。
8台の健康測定器、管理栄養士が常駐
「食を通じて生活者に健康で豊かな暮らしを提供する」というサンフラワープロジェクトのビジョンと、サミット、トモズ、住友商事3社の企業理念や事業ビジョンの方向性が合致し、「食と健康」で地域の顧客に寄り添う新しい場として生まれた「けんコミ」。
2021年3月に改装した「サミットストア鳩ヶ谷駅前店」に初めて設置されると、同年11月には「同王子店」、12月には新店の「同亀有駅北店」と続けて設置された。
1月上旬、亀有駅北店を訪れた。「けんコミ」が配置されているのは、出入口から入ってすぐの、併設店「トモズ」の横だ。来店客の最も目に入りやすい場所に置かれた「けんコミ」は広さ21.7㎡ほどで、カウンターと健康測定器8台が設置されている。これらの健康測定器はセルフチェック方式で、血圧、体組成、糖化度、血管年齢、ヘモグロビン、骨健康、野菜不足、肌年齢をそれぞれ30秒以内に測定できる優れものだ。
「けんコミ」ではトモズの管理栄養士2人が常駐し、お客に健康に関するアドバイスをする。たとえば、野菜不足の結果が出た際には、管理栄養士がお客に日常、よく食べているものなどをヒアリング。そのうえで、野菜をふんだんに使ったビタミン豊富なレシピをコーナーに設置している24種類のメニューリストから取り出し、提案することもある。お客がそのメニューを気に入れば、管理栄養士がサミットの案内係に連絡し、素材が販売されている売場まで案内する。この日勤務していたトモズの管理栄養士の大森真梨子氏によると、オープンした12月は、累計で1万人を超えるお客が健康測定器を利用。行列ができていたそう。「70~80代の方が主に利用されるが、小さなお子さんがいる家族、主婦の方もたびたびいらっしゃる」(大森氏)
測定結果(レシート)は、「けんコミ」で配布する「測定シート」に張って結果ごとの推移を確認できる。トモズ店舗運営部マネージャーの行廣和彦氏は、「この測定シートをきっかけに、家族や周りの友達に自身の健康状態を共有するなど、コミュニケーションが生まれている。そのシートをもってお友達と一緒に『けんコミ』に来て、健康相談をする方も多い」という。また、先行して開設された他の「けんコミ」では、「『血圧が低くなったよ』『野菜不足が改善したよ』と、管理栄養士に毎回自分の『健康報告』をされる常連のお客さまもいる」(行廣氏)
このほか、測定器横のボードには、「ベジチェックランキング」と題し、野菜を多く摂れているお客の順位が張り出されている。お客のエンゲージメントを高める工夫だ。「けんコミ」はまさに、「食」を通じてお客が集まる「コミュニティ」の場になっていると言える。「地域との共生」を主眼において運営されている「けんコミ」。サミット、トモズ、そして住友商事はなぜ、「けんコミ」を設置したのだろうか。
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