マッキンゼーが教える!健康軸で食品小売業が取り組むべき戦略とは

解説・文:McKinsey and Company パートナー:櫻井康彰、McKinsey and Company アソシエイトパートナー:児島愛子、McKinsey and Company エンゲージメント・マネージャ:大町雅彰
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グローバル食品小売のホット・トレンドを解説する本連載。今回は「健康トレンド」を取り上げる。今や、健康への消費者・生活者の関心が高まっていることは議論の余地はない。グローバルで見るとヘルステックに対する資金調達額は2021年から2023年の間だけでも45兆4000億円に達し、さらに2023年のマッキンゼー独自調査では、約65%の消費者が日々の生活で「健康」を重視していることがわかった。そこで本稿では、マッキンゼー独自の生活者調査に基づき、生活者が食品小売に求める「健康」ニーズの実態を解説するとともに、調査と海外事例に基づいた日本の食品小売企業への提言をしたい。

食品小売にとっての「健康」ニーズとは

 マッキンゼーが2020年、グローバルで独自に実施した生活者サーベイによると、日本において「健康を日々の生活の最優先事項としている」人は約14%と、諸外国と比べてやや低い数字にとどまっている。また、「健康」と関連するワードをサーベイで聞いたところ、他の国は「身体」や「心」などにかかわる具体的なキーワード(例:運動、睡眠など)が出てくる一方、日本では「とくにない」といったキーワードが目立つなど「健康」という概念が日本ではまだ明確に特定されていないことも見えてきている。

健康のイメージ
マッキンゼーが2020年、グローバルで独自に実施した生活者サーベイによると、日本において「健康を日々の生活の最優先事項としている」人は約14%と、諸外国と比べてやや低い数字にとどまっている。(i-stock/maruco)

 マッキンゼーは2023年、さらに日本独自で約1000人の生活者を対象に「健康的な食品に関する購買行動」についてサーベイを実施した。その結果、「健康的な食品」を買いに行く小売業態として、8 割が「食品スーパー」を挙げ、他の小売業態よりも圧倒的に高い比率となっている(図表❶)。食品スーパーに次いで、

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