バローのプロセスセンター戦略!付加価値と店舗効率化を両立させる仕組みとは

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バローが力を入れる、食品スーパー(SM)の「デスティネーション・ストア」(D・S)。生鮮食品が充実、高い目的来店性を備える、この独自フォーマットを支えているのはプロセスセンター(PC)だ。おもに畜産向けの商品を製造し、部門の効率運営に貢献する。最近は付加価値アイテムを拡大、さらにグループ企業への供給も開始した。今後、関西への出店を視野に増設予定という同社の最新PC戦略をレポートする。

4つのPCで全店をサポート

 バローが米国のSM企業を研究し、岐阜県多治見市の本部近くに物流センターを建設したのは1989年のことだ。ただ商品を仕入れ、販売する「小売業」ではなく、自社で卸売や物流、さらに製造も手がける「流通業」を志向、高い収益性を確保できるチェーン企業をめざした。

 これまで商勢圏の各地に、きめ細やかな自前の物流網を張り巡らせてきたが、それを補強する役割があるのがPCだ。主に畜産部門向けの商品の製造を行うほか、一部のPCでは水産部門や農産部門の商品もつくっている。

 2010年初頭から順次整備してきた。現在、「北陸PC」(富山県南砺市)のほか「静岡PC」(静岡県島田市)、「可児PC」(岐阜県可児市)、「大垣PC」(岐阜県大垣市)の4施設がある。

PC内部の様子
PC内部の様子。バローでは店頭の省力化、省人化だけでなくPC自身が利益を生む「プロフィットセンター」と位置づけている

 実は最近まで「福井PC」(福井県福井市)があったが、今年6月、北陸PCに集約、機能を強化して同7月から稼働。このように常に店舗政策と連動させながら最適な体制を構築している。

 PCを活用するねらいを、同社執行役員で畜産ベイク部、和日配部の和田大空部長は次のように説明する。「年々、人材採用が難しくなっており、基本的には店舗人員を省力化することが目的。PCで製造した商品を店舗に供給することで、畜産部門では現状、1~2人のパートタイマーで売場をつくれるようになっている」。

 運営だけでなく商品面でもメリットは多い。

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記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

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