バローは関西をどう攻める?新型D・S、滋賀の近江八幡店を徹底分析!
中部地盤に店舗網を構築するスーパーマーケット(SM)のバローだが、今後の成長戦略として商圏の分厚い関西、とくに大阪周辺エリアへの出店強化を進めている。最新型の「デスティネーション・ストア」(D・S)での出店が中心となる。すでに一定の店舗網を構築しており、バローがねらう大阪エリアの玄関口ともいえる滋賀県西部エリアの新型店舗を調査して今後の展開を占いたい。アイダスグループ代表取締役社長の鈴木國朗氏が解説する。
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ワクワクする売場を3つの視点で分析!
バローホールディングス(以下、バローHD)がめざす「D・S」とは「個性的な商品・カテゴリー構成そのものを来店動機とする店舗モデル」だ。生鮮部門を強化するとともに、プライベートブランド(PB)をはじめとする商品力の向上によって独自性を発揮。競合店を飛び越えて来店してもらう、目的来店性の高い店をめざしている。
バローグループのSM事業の中核を担うバローは、大消費地・関西での店舗網の構築をめざす。そこで、それらエリアでも「D・S」は真価を発揮できるのかを分析する目的で、京都市まで30㎞ほどの距離にある滋賀県近江八幡市に2023年4月7日に開店した「D・S」モデル新型店「SMバロー近江八幡店」を調査対象に選んだ。同店の売場面積は約2070㎡。立地はバローグループが開発した近隣型ショッピングセンター(NSC)「Lu Vit(ルビット)パーク近江八幡」内に立地する。なお、調査日は9月上旬の週末である。
売場を一巡した印象は、入店してすぐの果物売場や野菜の対面コーナー、鮮魚の平ケースの丸魚の売り方から焼成作業が見渡せるベーカリーに至るまで、ワクワクする売場だったことだ。さて、そのワクワクする売場を、上記のようなグループの基本方針や経営戦略を踏まえ、「商品力」「プレゼンテーション」「効率化」の3つの視点で整理したい。
メリハリつけた加工、旬と鮮度感の打ち出し
まず「D・S」実現のための最も重要な要素である「商品力」からみていく。バローは前述したとおり、生鮮食品とPB商品を中心に独自性の高い品揃えをめざす。
店舗の入口を入ると、
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