バロー森克幸社長が語る「生鮮強化の成果と5000億円めざす成長戦略の中身」
バローホールディングス(以下、バローHD)のSM(食品スーパー)事業の中核会社バローは「デスティネーション・ストア(D・S)」化に取り組む。D・S化のねらいは目的来店性の強い店への転換だ。そのために、既存店改装を通じた生鮮の強化を図っている。D・S化はどんな効果をもたらしているのか。課題はあるのか。さらに今後の成長戦略をどう描いているのか。2022年6月、バローHD傘下のSMタチヤ社長からバロー社長(兼バローHD専務取締役)に就いた森氏に聞いた。
「売る力」がついた理由
──SM事業の既存店成長率を見ると、2022年度(23年3月期)は前年度比0.1%増で、23年度第1四半期は前年同期比2.8%増でした。どのように振り返りますか。
森 22年度上期の既存店は、7月以外は前年同月を割り込みました。下期はとにかく売上を取っていこうと取り組んだ結果、第3四半期が好調で上期のマイナス分を取り返すことができました。とくに、12月は大きく伸び、その点では売る力がついたという手応えを感じています。23年度は、山場となる12月の年末商戦までに貯金をしておこうと、4月からトップスピードで臨んでいます。バローの真の実力が試されるのが23年度だと位置づけています。

●1992年マルダイタチヤ(現タチヤ)入社。2006年タチヤ代表取締役社長。07年サンフレンド(現食鮮館タイヨー)代表取締社長。15年バローホールディングス取締役、18年タチヤ代表取締役会長(現任)、バロー常務取締役SM事業統括本部長。19年バロー専務取締役SM事業統括本部長。20年大和ストアー取締役社長。22年バローホールディングス専務取締役(現任)、バロー代表取締役社長(現任)
──売る力がついた要因は何ですか。
森 旬を大事にし、売るべき商品をしっかり売ることができたからです。生鮮が売れれば必ずグロサリー(の売上)もついてきます。逆に旬の売り込みが曖昧になると、グロサリーとのズレが生じます。その点でグロサリーでも旬を大事にすることが現場に根付いてきました。生鮮と、生鮮の女房役であるグロサリーが、クルマの両輪として回るようになってきました。以前は、日替わり品中心に価格で集客していましたが、今は生鮮を買う目的で来店してくださるようになっています。
──22年度下期に売上が大きく回復しましたが、何か施策を打ったのですか。
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