東南アジアのスーパーアプリ戦争のカギ握る「小売・流通」 グラブ&ゴジェックの成長戦略

解説・文:ローランド・ベルガー/パートナー:福田稔、ローランド・ベルガー/アジアジャパンデスク統括:下村健一
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合併構想は立ち消えるも独自の成長戦略描く

ゴジェックのドライバーと客。
配車サービスを祖業とするなど共通点の多いグラブとゴジェックだが、今まさにそれぞれが次の局面を迎えている。写真はゴジェックのドライバーと客。ジャカルタで2015年12月撮影(2019年 ロイター/Garry Lotulung)

 東南アジアの配車サービス大手として知られるグラブ(Grab)とゴジェック(Gojek)は、今や配車のみならず、食品や日用品のデリバリー、宅配、ペイメントなど、複数のサービスを抱える「スーパーアプリ」としての地位を築いた(図表❶)。

 配車サービスを祖業とするなど共通点の多い2者だが、今まさにそれぞれが次の局面を迎えている。その動向は東南アジアの小売・流通構造を変え得る起爆剤となるだろう。

 まずはグラブとゴジェックの事業概要を確認しておきたい。端的に言えば、東南アジア広域に展開しているグラブに対して、インドネシアを根城にグラブを追いかけるゴジェックという構図になる。

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