客単価2割押し上げ効果も!?イオンの冷食専門店「@FROZEN」で高額品が売れる理由

Pocket

冷凍食品大

イオンリテール(千葉県/井出武美社長)は2022年8月、食品スーパー(SM)の「イオンスタイル新浦安MONA」(千葉県浦安市)内に、日本最大級の冷凍食品専門店である「@FROZEN(アットフローズン)」をオープンした。同社は冷凍食品を成長カテゴリーととらえ、既存店でも売場の改装や新商品の導入をすすめている。@FROZENは、そんな冷凍食品の勝ち筋を見極めるべく、新しい商品政策(MD)や売場づくり、販促に取り組んでいる。

約1500SKUを展開!食シーン広がる冷凍食品

 @FROZENは約1500SKUという、日本最大級の品揃えと新たな発見や驚きのある楽しい売場づくりによって、共働き世帯やシニア層を中心に、開業後から幅広い客層を呼び込んでいる(売場面積は424㎡)。

 近年、冷凍技術と解凍技術の進化によって、冷凍野菜や冷凍果物、冷凍肉などの冷凍素材をはじめ、味や品質にこだわった高級冷凍食品、冷凍ミールキット、冷凍スイーツなど、冷凍食品のカテゴリーは広がっている。保存料を用いることなく長期間保存ができ、フードロスの削減にもつながるのが利点だ。

イオンリテール食品本部デイリーフーズ商品部部長 青木郁雄氏
イオンリテール食品本部デイリーフーズ商品部部長 青木郁雄氏

 共働き世帯の増加や高齢化に伴ってコロナ禍以前から拡大傾向にあった冷凍食品の需要は、コロナ禍での巣ごもり需要やテレワークの普及によってさらに大きく伸びている。イオンリテール食品本部デイリーフーズ商品部部長の青木郁雄氏は、冷凍食品に対する消費者ニーズについて「消費者の冷凍食品への期待値は全体的に高まっている。時短・簡便へのニーズに加え、おいしさも強く求められるようになってきた」と分析する。

 イオンリテールでは冷凍食品を成長カテゴリーと位置づけ、売場づくりを“実験する”店舗として@FROZENを開業した。冷凍食品の喫食機会を「朝食」「ランチ」「ディナー」「おつまみ」「スイーツ」という「食の5チャンス」でとらえ、ふだん使いからハレの日まで、あらゆる食シーンに対応した「フローズンワールド」としての世界観を表現している。

滑り出し好調、高所得層も取り込む

 開業以来、業績は好調に推移している。@FROZENの売上高は

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

1 2

記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

ダイヤモンド・チェーンストア編集部紹介サイトへ

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態