日本のアパレルは勝てない!Z世代起点にするDholiCのビジネスモデルを解明!
デタラメD2Cはやめ、シンプルなバリューチェーンのアジアに学べ!
このように、Dholicの強さは、最も難しいといわれている「Z世代」をターゲットにし、Kポップアイドルをつかったコスメなどをフックにし、SNSを活用してブランド名を広げ、衣料品を販売するということにある。
流通構造を比べてみよう。日本は、工場だし(FOB)から、商社が流通し通関、税金払いを行い、アパレル企業がブランド名をつけ在庫を持ち、小売に渡した後に各店配送を行って売上を上げるなど、極めて長い流通構造を持っている。流通構造が長くなればなるほど、途中で余計なコストが発生するうえ、時間もかかる。
これに対し、アジアンバリューチェーンは、本社がデジタル管理を行い消費者が選んだ商品をダイレクトに工場へ発注し、帳合い(出荷と同時に仕入と売上を同じタイミングで上げること)をするビジネスがスタンダードなのである。いかに、流通構造がシンプルかがわかるだろう。
私が残念に思うのは、このような先進的なビジネスモデルの源流の多くは、実は「日本発」ということだ。例えば、シックスシグマという改善手法があるが、これもブラックベルト(黒帯)という審査対象があり、シックスシグマ・マスターと呼ばれるKing of teacherになることが可能だ。言わずもがな、ブラックベルトとは柔道から来ており、黒い帯を締めることができる人は、このシックスシグマのトップコーチとなる。その他、トヨタ・カンバン方式はサプライチェーンマネジメントになる。私は双方の改善プロジェクトに携わったが、源流は日本にあるにも関わらず、シックスシグマはアメリカ人から教わった。
本質を見抜く力が弱い我々日本人は、「秘伝のタレ」を門外不出として隠そうとする。その気持ちは分からないでもないが、私たちは世界企業と競争しながら国際競争力をつけているのだ。秘伝のタレは、コンサルタントなどを使ってフレームワークとして次世代へ残してゆくべきである。オープン化しなければ外資が日本にやってきて日本企業の競争力を次々に奪ってゆくだろう。こんなところにも、日本人の戦略思考の弱さを感じざるを得ない。
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プロフィール
株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。
著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「
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