セブン-イレブンの最新省力化 フラッグシップ店舗で行う、“攻め”と“守り”の実験

小野 貴之 (ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長)
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専用機を導入して提供するオリジナルスムージー

 ここからは「攻め」の取り組みを見ていこう。前述の通り、麹町駅前店では、既存店で見られない商品を売場の随所に差し込んでいる。その代表例が冷凍ケースで販売する「SEVENCAFE ケールグリーンスムージー」(税込250円)だ。既存店でお馴染みのコーヒーマシンの横に専用のマシンを導入し、出来たてのスムージーを提供する。

 

専用マシンで提供するスムージーを実験的に導入した。今後の水平展開については未定としている

 そのほか、ワイン専門店「エノテカ」をコーナー展開するほか、飲料冷凍ケースで「モエ・エ・シャンドン」など高級シャンパンを品揃えしているのも同店ならではの取り組みだ。

 商品以外では、ゴンドラの上段のスペースを使い、木製フォークやエコバッグといった、全社的に力を入れる「SDGs(持続可能な開発目標)」をキーワードとした商品を販売する。旧来のコンビニエンスストアではあまり見られない、スペースを使った陳列でお客の目に止まりやすいようにしている。

ゴンドラの上段で「SDGs」をキーワードとする商品を販売する

 24時間営業問題、7pay終了に続き、12月には残業代未払い問題が発覚するなど強い逆風にさらされている同社。批判が集まる中でも、競争力の源となる現場では、従業員の負担軽減、そして顧客満足度向上のための試行錯誤が続いている。

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記事執筆者

小野 貴之 / ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長

静岡県榛原郡吉田町出身。インターネット広告の営業、建設・土木系の業界紙記者などを経て、2016年1月にダイヤモンド・リテイルメディア(旧ダイヤモンド・フリードマン社)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属し、小売企業全般を取材。とくに興味がある分野は、EC、ネットスーパー、M&A、決算分析、ペイメント、SDGsなど。趣味は飲酒とSF小説、カメラ

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