2010年度重点テーマは「インフラ活用、基本事項の徹底、新規出店」=ライフ 岩崎高治社長

聞き手:千田 直哉 (編集局 局長)
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基本事項を徹底する

──もうひとつ。10年度は、社内に対しては、「基本事項の徹底」を訴えています。

岩崎 現在、従業員に話しているのは、景気が悪くなったからといって急に新しいことを行うのではなく、これまでわれわれが積み重ねてきたことは間違っていないのだから、しっかりとやっていこうということです。

 気持ちのよい接客、清潔な売場、安心して買っていただける商品の提供など、地道な積み重ねが、地域一番店をつくる近道なのでしっかりやればいいと思います。

──たとえば、接客を向上するためには何をしてきたのですか?

岩崎 さまざまな方法があると思いますが、いちばん初めに手をつけなければいけないのは意識改革です。「接客が大事」であることを、従業員の方が心底理解できていないと、接客は結局、形骸化してしまうからです。

 突き詰めるなら、事あるごとに同じ話を繰り返し、店舗単位、店長連絡会、チーフ会議、トレーナーによる教育など縦横斜めの組織を使って、接客の重要性を話して理解してもらうしかありません。

 その土台ができたところで、技術論としての接客教育に進むというかたちを採っています。

 意識改革は時間もかかりますし、効果も歴然とはしませんが、一生懸命やってもらっていると思いますし、合格点には達していると思います。

 ただ、これで満足はしていませんので、さらなる向上を図っていきたいと考えています。

出店は巡航速度に戻す

──出店については、どんな計画を持っていますか?

岩崎 当社は、1990年代に“怒涛の出店”ということで8年間に132店舗を開業しました。次の2000年代は内部充実に当てました。10年代の第三次中期経営計画では、出店を巡航速度に戻そうということで、3年間で32店舗の計画を描きました。

 実績は、08年度が7店舗、09年度が9店舗。10年度は8店舗を計画していますので合計24店舗になります。

 ただし、巡航速度ということでは、年間10店舗程度は出店していきたいところです。物件自体はとくに近畿圏に多く、首都圏にも多数出てきています。

 契約済みやほぼ決まった物件数は現状でも20件くらいはあります。

 ですから、あとは業績を勘案しながら、アクセルとブレーキを踏み分けることになると思います。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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