今は、なりふりを構ってはいられない=ダイエー 西見徹 社長

聞き手:千田 直哉 (編集局 局長)
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──ダイエーのPBはダイエー独自のPBとイオングループのPBが混在しているわけですが、いかにすみ分けをさせていくのですか?

西見 もともと、ダイエーは経済合理性追求ブランドの「セービング」と付加価値型のPBを展開していました。このうち、経済合理性を追求する領域のPBは大量生 産大量販売が前提になるわけですが、今のダイエーの店舗数で「セービング」を継続するよりは、イオングループの「トップバリュ」に置き替えたほうが良いと 判断したため、「セービング」の販売は、09年2月をもってほぼ終了しました。

 今後は、当社独自の3ブランド「おいしくたべたい!」「愛着仕様」「SALIV」に「トップバリュ」を加えたPBの展開を強化し、売上構成比率を前期の11%から今期は15%まで拡大していく計画です。

GMSはやり方次第で復活できる

──ダイエーは、「ごはんがおいしくなるスーパー」というコンセプトで事業展開していますが、現在、「食料品」対「衣料品・身の回り品」対「生活用品」の売上構成比は65.8%対16.8%対17.4%と依然、非食品が34.2%を占めています。

西見 現在、GMS(総合スーパー)は134店舗を展開しています。GMSは「何でもあるけど何もない」と揶揄された少し前の状態からは進化していると自負していますが、業態としては、なかなか難しいと見ています。

 ですから、これから店舗拡大を図っていく際は、SSM(大型食品スーパー)かSM(食品スーパー)を主力に出店していきたいところです。SSMは 規模的には800坪くらいがひとつのひな型になります。500坪くらいが食品で残りの300坪が生活雑貨・日用雑貨などのコモディティ商品になります。

 ただし、GMSについては当社にとっては大切な資産であり、この資産をバリューアップして、会社の業績に貢献させなければいけないわけです。

 私は、GMSはやり方次第で復活すると考えています。たとえば、ガソリン価格が高騰する中で自転車が見直されているわけですが、GMS店舗でも自転車を強化し、品揃えをよくすると、1店舗で月300台近く販売する店舗も出てくるわけです。

 ライフスタイルの変化に合わせて売れる商品は変わっていくのですから、それに対応するかたちで品揃えを変えていけば、十分やれると考えています。 しかし、いつの頃からかお客さまのニーズにお応えするという努力が不足して他業態に顧客を奪われてしまった。けれども、お客様ニーズへの対応という視点 で、こうしたカテゴリーを一つひとつ見直していけば、お客さまのご支持を取り戻すことは十分可能だと考えています。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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