人時生産性を改善しながら付加価値のある売場をつくりだす=原信ナルスHD 原 和彦 社長

聞き手:千田 直哉 (編集局 局長)
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今秋から新潟県全域で
ネットスーパーのサービスを開始

──さて、今後の出店戦略についてお聞かせください。

 2014年度末までに74店舗体制とすることを計画しています。出店エリアは物流センターからクルマで2時間以内の配送距離という方針は変わっていません。つまり新潟県と富山県の全域、そして長野県の一部が出店エリアとなります。

──出店は順調なようですが、ドミナントエリア内の少子化、高齢化、過疎化の問題は深刻ではないですか?

 ご指摘の通り、新潟県では人口減少が止まりません。とくに高齢化の進む郡部でその傾向が顕著です。こうした郡部にある小売店が閉店するケースも増えています。今のところ、当社は商圏人口の少ない郡部への出店や、クルマでの移動店舗を展開する計画はありません。しかし、店舗の機能を強化するために、今秋から新潟県全域でネットスーパーのサービスを始める予定です。

 原信の店舗では毎週木曜日にシルバーズデイを実施しています。65歳以上のお客さまが当社の「シルバーカード」をお持ちいただくと、商品が5%引きになるサービスです。木曜日には「シルバーカード」をお持ちの方がお子さまやお孫さんを連れて来店するケースが非常に増えています。また、少子化対策では9市町村と提携し、子育て支援策に協力しています。たとえば、新潟市では小学生以下のお子さまがいらっしゃる家庭に「にいがたっ子すこやかパスポート」を発行しています。これを日曜、祝日にご持参いただければ、5%の割引サービスを提供しており、好評を得ています。

──最後にアークス(北海道/横山清社長)とユニバース(青森県/三浦紘一社長)が経営統合を発表しました。どのように受け止められましたか。

 地域のお客さまにご利益を提供できるのであれば、素晴らしい判断をされたと思います。当社も将来的には200店舗体制をめざしており、その方法としてM&A(合併・買収)も選択肢のひとつだと考えています。アークスさんとユニバースさんはともにCGCグループ(東京都/堀内淳弘代表)のメンバーで交流も深く、アークスさんの純粋持株会社体制による経営スタイルは当社の見本にもなっています。今回の経営統合によって再編機運が高まっていくでしょう。

 当社は06年4月に純粋持株会社体制への移行による経営統合に踏み切りました。それから5年が経ちましたが、企業文化の異なる会社が一緒になるには時間が必要になります。今期を仕上げの年と位置付け、最も重要な人事制度の統一を行いました。双方のメリットが大きいM&Aについては、今後も前向きに検討していく考えです。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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