低価格と付加価値を両立し、リアルでもネットでもナンバーワンを目指す!西友の今とこれから!

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
Pocket

商販一体のもと地域対応を推進

 「販売力」の強化については、商品本部と販売本部が密に連携する「商販一体」の取り組みを推進。西友がおすすめする商品を単品大量で徹底的に売り込む「ヒーロープログラム」では、商品本部と販売本部が毎月協議し、値入れ率や顧客の関心度など、双方が持っている情報を共有したうえで対象となる「ヒーローアイテム」を決定。仕入れの商談や売り込み計画の立案などに共同で取り組んでいる。

 そのほか、販売力を高めるため、西友は各店舗や現場の従業員の自主性を重んじる「個店経営」も推進している。以前の西友は効率性を追求し、本部による一括仕入れを行っていたため、地域や各店舗独自のニーズに応じた品揃えが十分ではなかったほか、店舗独自の販促物の作成や売場づくりも限定的だった。現在では商販一体の組織体制のもと、地域ごとのバイヤー配置を進めており、地域特性に合った商品の仕入れを強化している。

 エリア調達が可能になったことにより、西友内で活発化しつつあるのが、特定の地域で好調な商品を別の地域でも展開する“逆ローカル”の取り組みだ。「西友三軒茶屋店」(東京都世田谷区)では22年6月の取材時、九州エリアの「めんたいマヨネーズ」をパン売場そばの柱に壁掛けのラックを取り付けて展開。手書きのPOPを活用し、パンに塗って「めんたいトースト」として食べることを提案していた。このように、西友では従業員の自発的な売場づくりを促すため、現場への権限委譲が進んでいる。

1 2 3 4

人気記事ランキング

© 2023 by Diamond Retail Media