21年度は1兆5000億円突破か、工場潜入でSheinの実態を暴く!

河合 拓
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すでに“詰んでいる”ライブコマース

Sitthiphong/istock
Sitthiphong/istock

中国でライブコマースをやろうとすると、日本のようにGoogleがやっているYouTubeのような無料のプラットフォームが使えない。したがって、中国でのSNSによるライブコマースは大手のAlibabaグループのTaobaoプラットフォーム一択となっており、よほどの知名度が無い限り、彼らのライブコマースを活用せざるを得ず、結果、今から中国市場に出ても高い出店料を払った挙句、貴重な顧客データを彼らに吸い取られることになるわけだ。日本の駐在員はVPNを使って、シンガポールや米国経由で、YouTubeなどを見ているが一般消費者には関係ない話である。

いうまでもなく、これからは、国家間の争いは「データ勝負」であり、欧州はじめ、中国でさえ国内で収集したデータを国外に持ち込むことを国の規制で禁止している。そんななか日本のデジタル庁が進めている「デジタルガバメント」は、AmazonGoogleという外資系企業をプラットフォーマーとして選び、「国益」より「安定と実績」を選んだ。日本の将来に危機感を抱いているのは私だけではないだろう。

中国では、もはや「日本に対する憧れ」などない。日本が好きな人は「日本という世界観」が、様々ある世界観の一つとして好きな人もいる、というレベル。もはや絶対的なものではないのだ。さらに、広大な中国では、日本の北海道より上から、沖縄より遙か下まであり、Tシャツとダウンが同時に売れる。ターゲットをエリアごとに絞らなければ、越境ECは成功しない。

 

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