21年度2ケタ増収3ケタ増益のセレクトショップ 「定価販売」のTOKYO BASEが強い理由

2021/08/11 05:55
野澤正毅
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「メード・イン・ジャパン」に特化するという、並み居る大手セレクトショップとは一線を画す品揃えで、注目を集めているのがTOKYO BASE(東京都/谷正人CEO)だ。原価率が高いアイテムを、定価販売で売り切るというビジネスモデルもユニーク。高感度の若者層からの根強い支持でコロナ禍を乗り切り、20221月期には大幅増収増益で復活を目指す。アスレジャーと大人向けセレクトという新業態も立ち上げ、さらなる攻勢をかける。

デザインも品質も優れ、日本人の体型にフィット

プライベートブランド「UNITED TOKYO」
プライベートブランド「UNITED TOKYO」

 コロナ禍によって、リアル店舗での販売が制約されていることが要因で、苦戦を強いられる大手セレクトショップが続出している。そうした中、気を吐いているのが、新興勢力のTOKYO BASE(東京ベース)だ。

 20212月期決算(連結)は、新型コロナウイルス感染拡大の直撃で、売上高146億77300万円(前期比3.8%減)、経常利益2900万円(同83.8%減)の減収大幅減益となった。

 ところが、20221月期(連結・決算期変更)の業績予想(12カ月ベースの概算)は、売上高201億円(同28.7%増)、経常利益123000万円(同474.2%増)と、大幅な増収増益を見込んでいる。業績回復に自信を示しているのだ。

 大幅な増収増益を見込む主な理由としては、「国内外での積極出店を維持すること、ECの拡大などが挙げられます」と、同社取締役CFO管理本部長の中水英紀氏は説明する。だが、そのベースにあるのは、同社の基礎体力の高さだろう。コロナ禍の前から、ほかの大手セレクトショップとは一線を画す経営戦略で、注目の的だった。

 同社は2007年、インポートブランドなどを取り扱うデイトナ・インターナショナルの新規事業として、現社長の谷正人氏が中心となって立ち上げられ、2009年にデイトナ社からの事業譲受、独立によって設立された。2015年には、早くも東証マザーズ上場を果たしている(現在は東証一部上場)。

 同社の大きな特徴は、日本ブランドと「メード・イン・ジャパン」のファッションに特化している点。それが、ほかのセレクトショップとの差別化の大きな武器になっている。

 中水氏は、「インポートブランドと海外生産で粗利益率の高いPB(プライベートブランド)が、ほかの大手セレクトショップの経営の柱です。しかし、当社が後追いで、そうしたビジネスモデルを真似ても、成功は覚束ないでしょう。それなら、先輩格のセレクトショップがどこもやらないことをやろう、となったわけです」と説明する。

 とはいえ、差別化するにしても、なぜ“メード・イン・ジャパン”だったのか。

 「当社の谷社長もそうなんですが、豊かな時代に生まれ育った今の若者は、幼いころからファッションに慣れ親しんでいて、感度が高いんです。選択眼も厳しい。欧米ブランドというだけで、ありがたがることはありません。産業空洞化で希少になった日本製のファッションは、むしろ彼らにとって新鮮であり、関心が高い」(同)。

 日本製は、デザイン性に優れているのはもちろん、縫製がしっかりしているなど品質も高く、「何よりも、日本人の体型にフィットしています」と、中水氏はメリットを列挙する。

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