カインズ、東急ハンズを買収、DIY文化の共創パートナーに

ダイヤモンド・リテイルメディア デジタル推進室
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東急ハンズ
カインズは東急ハンズを新たな DIY 文化の共創に向けたパートナーとしてグループに迎える

 カインズと東急ハンズは、カインズが東急ハンズを2022年3月31日に子会社化すると発表した。同日付でカインズは東急不動産ホールディングスから、東急ハンズの発行済みの全株式を譲受する。株式の譲渡価格は非公開。カインズは東急ハンズを新たな DIY 文化の共創に向けたパートナーとしてグループに迎える。

 今後、東急ハンズとカインズは、カインズが強みとして持つ SPA(製造小売り)としてのオリジナル商品の開発力や、これまで培ってきたデジタル基盤を最大限活用し、東急ハンズが「ヒント・マーケット」というコンセプトの下で磨き上げてきた発想力や商品・生活提案力、目利き力などを掛け合わせることで、様々な分野でシナジーを発揮していくとした。

 東急ハンズは、東急不動産(当時)の子会社として1976年に設立。同年に1号店の藤沢店(神奈川県)の開業を皮切りに、78年の渋谷店(東京都)、83年の江坂店(大阪府)、84年の池袋店(東京都)など、主に都心部を中心に出店を進めてきた。

 東急不動産という小売事業を直接手がけてこなかった故の自由な発想で、日曜大工から、調理や洗濯、掃除といった家事、アクセサリーづくりや革細工といったクラフト分野などの幅広い品揃えで、新たなDIY文化を都心部に吹き込み、需要を獲得してきた。その後も2008年に小型店の「ハンズ ビー」業態を開発し、主に都市部の商業施設内に出店。20年には、地方の百貨店再生を目的に地域経済との協業に取り組む、「プラグス マーケット」を展開してきた。

 しかし、20年からの新型コロナウイルス感染拡大に伴い、東急ハンズの店舗が出店する立地への客足が落ち込み、業績が悪化していた。21年3月期の連結決算は、売上高が前年同期から334億円の減収となる631億、営業損失は44億円、経常損失が46億円、純損失が71億円と赤字に転落していた。21年10月には、旗艦店の一つ池袋店が閉店している。

 東急ハンズの21年12月現在の店舗数は、東急ハンズ63店舗(FC9店舗、海外15店舗含む)、ハンズ ビー20店舗(FC2店舗含む)、プラグス マーケット3店舗(FC店舗)。カインズの2020年度の売上高は約4845億円(前年度比約10%増)、12月現在、227店舗を展開している。

 今回は、東急ハンズ側がファイナンシャルアドバイザーを選定して広く入札手続きを実施し、複数候補者からの提案を受けたうえで検討を重ねた結果、株式をカインズへ譲渡することを決定した。また会見の場で、「東急ハンズ」の屋号は、適切な時期に変更することも発表された。

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