RaaSもスタート!カスミ、山本慎一郎社長が語るデジタル小売業への道とは

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:松岡 由希子
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DX白書1280

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都/藤田元宏社長)傘下で、茨城県を地盤に食品スーパー(SM)を展開するカスミ。同社もデジタル活用が急速に進んでいることで知られる1社だ。スマホレジアプリ「Scan&Go ignica(スキャンアンドゴーイグニカ:以下、Scan&Go)」を活用した顧客接点づくり、複数の在庫拠点を構えることで、豊富な品揃えを実現する新たなネットスーパーのモデルなど、同社のビジネスは近年急速に変化している。カスミのデジタル活用の現在地について、山本慎一郎社長に聞いた。

※本稿は2023年3月1日発行の別冊「流通テクノロジー」で掲載された記事です。取材内容や所属などは発行日時点のものです。

在庫状況を含めた商品情報を統合

──SMを取り巻く事業環境を踏まえ、デジタルでどのような変革をめざしてきましたか。

山本慎一郎氏
山本慎一郎(やまもと・しんいちろう)
●1959年生まれ。中央大学法学部出身。食品スーパーやシステムコンサルタントなどを経て、2013年に顧問としてカスミに入社。14年常務取締役、17年専務取締役を経て、20年3月に代表取締役社長に就任。22年にユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス代表取締役副社長に就任(兼任)

山本 デジタル化が先行する欧米の状況を見ても、お客さまの日常生活は一変しつつあります。SMの主要客層は年々高齢化し、60代以上が約半数を占めている一方、単身者や若年層を中心に現代的な購買体験を享受する人も増えてきました。顧客接点を変え、店舗だけでなく、店舗外のどこからでもストレスなく自由に買物できる環境を整える必要がありました。

 カスミはリアルな店舗と拠点を持ち、それぞれに品揃えも異なり、これに加えてネットもあります。2011年から運用していたネットスーパーサービスはオペレーションの手間がかかるうえにユーザーの満足度が低く、伸び悩んでいました。また、スマホアプリではデジタルチラシや商品情報の配信にとどまり、各店舗の在庫状況を確認する機能は備わっていませんでした。店舗もネットも何とかしなければならないと同時に突き付けられたのが19年頃です。

 それ以降、「Scan&GO」の導入や新たなネットスーパー「Online Deliveryignica(オンラインデリバリーイグニカ:以下、Online Delivery)」の開発などに取り組んできました。

──店舗のデジタル化に向けて、既存の仕組みをどのように変えていったのでしょうか。

山本 自前のPOS化を進めるなかで、チェックアウトを含めた店内の顧客接点を統合しようと考えました。まず統合すべきものは、在庫状況を含めた商品情報です。

 在庫を可視化するためには、既存のビジネスモデルを変える必要があります。日次で更新していた在庫データをリアルタイム処理に近づけたり、商品マスターと実際に入荷されている商品を確実に同期させるといったことに取り組んできました。

顧客接点のカギとなる「Scan&Go」

──店舗での顧客接点として、

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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