平和堂小型新業態「スマート」、5.2 億円で利益を出す売場づくり

取材・文:森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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フレンドマートスマート 茨木サニータウン店外観

フレンドマートスマート 茨木サニータウン店

〒567-0009 大阪府茨木市山手台3-30-30
電話:072-648-0460
JR東海道本線「茨木」駅からクルマで約30分

不振店のフォーマット転換も視野

 スマート茨木サニータウン店がオープンしたのは、JR東海道本線「茨木」駅から北5.3㎞、1970年代に街開きしたニュータウン「サニータウン」にある商業施設「茨木サニータウンショッピングセンター」内。経営破綻により閉店したSM「ツジトミ」の退店跡に居抜きで出店している。

 基本商圏に設定する半径2㎞圏内には、6827世帯/1万6846人が居住する。高齢世帯が多いが、比較的新しく開発されたエリアでは30~40代のニューファミリー層も目立ち、人口は増加中だ。サニータウン内での移動手段は、土地の高低差があるためクルマやバスが主である。なお同圏内に、競合するSMはない。

 スマート茨木サニータウン店は、平和堂にとり初めての小型SMだ。同社は従来、300坪、450坪、600坪の3タイプのフォーマットを使い分け、ドミナント出店により店舗網を拡大してきた。しかし近年は適切な物件が減るほか、本拠の滋賀県においては県外からの食品の扱いが大きいドラッグストアの進出により、競争が激化している。そうしたなか新たに小型店を持つことで、今まで出店できなかった郊外や都市部への出店を可能にしたい考えだ。また、既存店のうち業績が振るわない店舗に対し、フォーマット転換の選択肢としても活用する。

 当初は売場面積150坪タイプの店舗での実験を想定していたが、今回の物件は220坪と大きいため、店内に100円ショップ「ワッツ」を組み込んで調整した。220坪の内訳は、平和堂のSMが160坪、100円ショップ30坪で、残る30坪にはテナントの誘致を計画している。

既存店よりも経費率で数ポイント減めざす

 小型フォーマットである「スマート」業態は、既存店より売上が小さいなかで収益化を図る。そのため、

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取材・文

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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