都市部攻略ねらう300坪新フォーマット、フレンドマート西淀川千舟店の新しい売場づくりとは
平和堂が、食品スーパー(SM)の新フォーマットとして開発を進めるのが「SX(エスエックス)店」だ。従来型よりコンパクトで、同社では都市部やルーラルエリアを深耕するための次期戦略店舗と位置づける。現在、既存店で品揃えや価格政策などを実験中で、確立した手法をもとに近く新規出店する計画を持つ。その取り組みをレポートする。
有力店が多い流通激戦区
大阪市西淀川区にある平和堂のSM「フレンドマート西淀川千舟店」。売場面積は300坪。オープンは2011年9月で、関西、北陸、東海で事業展開してきた平和堂が、初めて大阪市内への進出を果たした店舗だった。
同店は、滋賀県にある同規模店と比較すると厚い商圏を持っている。反面、半径2㎞圏には11ものSMがひしめき、周辺は流通激戦区である。
近隣には「関西スーパー大和田店」「ライフ御幣島店」「スーパーマルハチみてじま店」「阪急オアシス姫島店」「イズミヤスーパーセンター福町店」をはじめ有力店が多い。
平和堂ではこの西淀川千舟店を、新型フォーマットの実験店として、22年2月から取り組みを開始している。なおSXの「S」は食品、Xはその正体、可能性が未知数の店舗であることを意味する。
開発の背景を、平和堂の夏原陽平常務は次のように説明する。「これまで当社が選択肢として持っていた、最も小さなSMは売場面積300坪タイプだった。しかし近年、出店重点エリアの京阪や名古屋エリアにおいては適切な立地が減る傾向にあり、新フォーマットを開発する必要に迫られていた」。
300坪のSMを出す場合、バックヤードなどのスペースを考慮すれば、最低でも450坪の敷地が必要だ。しかし、よりコンパクトな100~150坪のフォーマットを持てば、従来は出すことができなかったエリア、場所に店を構えることも可能になる。
その中、西淀川千舟店が選ばれたのは、
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