売上大きく上振れ!万代和歌山1号店、紀伊川辺店の売場づくりを徹底解説

取材・文:植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集者)
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大阪府を本拠とする食品スーパー(SM)の万代(阿部秀行社長)は2023年11月17日、和歌山県和歌山市に「万代紀伊川辺店」(以下、紀伊川辺店)をオープンした。同社が和歌山県内に出店するのは初めてだ。万代の強みを打ち出しつつ、和歌山県の地域特性を踏まえた売場づくりを行っている最新店舗の戦略をレポートする。

万代紀伊川辺(かわなべ)店

万代紀伊川辺(かわなべ)店外観

〒649-6321和歌山県和歌山市川辺220
電話:073-461-1351
JR和歌山線「布施屋」駅よりクルマで6分

競合店ひしめく激戦区に出店

 紀伊川辺店は、23年3月に閉店した「イズミヤスーパーセンター紀伊川辺店」跡地に出店した。売場面積は620坪。紀伊川辺店と同じ建屋には同じく和歌山初出店の「カインズ紀伊川辺店」が入居しており、2社の売場が1フロアでほぼシームレスに展開されている。

 紀伊川辺店店長の相川徳央氏は「ホームセンターが隣接するのは万代としても初めてのことだ。相乗効果もねらっていきたい」と話す。

相川徳央店長
「お客さまの支持を得て、地域になくてはならない店をめざしていきたいです」

 紀伊川辺店はJR和歌山線「布施屋」駅からクルマで6分、和歌山市から岩出市、紀の川市を繋ぐ国道24号線沿いに位置する。周辺はファミリー層の比率が高い。また、隣接する岩出市には新興住宅地が多く、世帯数は増加傾向にある。

 国道24号線周辺は、オークワ(和歌山県/大桑弘嗣社長)が2店舗、松源(同/桑原太郎社長)が2店舗、エバグリーン廣甚(同/米原まき社長)が3店舗を出店する激戦区だ。たとえば、4.5㎞西には「松源和歌山インター店」(和歌山県和歌山市)、6㎞東に「スーパーエバグリーンプラス岩出高塚店」(和歌山県岩出市)、2.3㎞東に「オークワ岩出西店」(同)が出店している。加えて23年10月4日に福岡県を本拠とするトライアルホールディングス(福岡県/亀田晃一社長)が「スーパーセンタートライアル岩出店」(同)を出店した。

 相川店長は「周辺にはSMが多数出店しており、なおかつ価格競争が厳しい。牛乳などの一部主力商品は周辺環境に合わせて価格を打ち出しつつ、“万代らしい商品”や、丁寧に作り上げるインストア加工商品で差別化を図っていく」と話す。質が高くなおかつ値ごろ感のある“万代らしい商品”として既存店で人気を誇る「オーロラサーモン」や「サロマ和牛」、留型のオリジナル商品を展開するほか、インストア加工によっておいしさを打ち出したサラダや焼き魚などを積極的に販売していく考えだ。

 こうした万代の強みを生かしながら、和歌山県初出店にあたっては地域特性を踏まえた売場づくりも行う。たとえば

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取材・文

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修了。関西のグルメ雑誌の編集部に所属後、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。日本酒、特に関西の地酒好き。趣味は、未知のものを食べること。「口に入れてから考える」ことをモットーに、日々さまざまな食べものを味わっている。

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