強さも課題も顕在化!オークワ跡地に出店した「ロピア三田対中店」の売場づくりを解説!

矢野清嗣
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●鮮魚
刺身・対面寿司の扱いはなし、代わりに珍味が充実!

 関西地区の鮮魚売場は、刺身コーナーや対面のバラ売り寿司、同じく対面の丸物コーナーなど、関東とは異なるMDを導入しているが、三田対中店ではそれらの扱いはなかった。

 丸物はパック入りで、「真鯛」「ガシラ」「タモリ」など明石港直送の商品のほか、長崎県産の「真あじ」(1尾350円、2尾590円)などを扱う。寿司・丼物コーナーでは「魚萬握り寿司茜」(18貫2390円)、「海鮮たっぷりちらし」(990円)、「海鮮丼」(990円)など各種寿司・海鮮丼を豊富に揃える。

 壁面では、8尺フード付き什器を設置し、「中華くらげ」(200円)、「いかウニ味」(480円)、「貝柱昆布」(330円)など各種珍味21品目を販売する。これまでにはなかった新たな仕掛けであるとみられる。

●精肉
現場の作業負担を減らすセンター商品

 精肉売も標準スタイルで、約55坪(歩測)のスペースで売場を展開する。

 売場では、入口から見て左側壁面30尺が牛肉コーナー、その対面の36尺では加工肉、奥側壁面45尺が牛肉・豚肉・ひき肉などを配置するほか、幅19尺平台を3列配置する。

 牛肉は「ブロック」「ステーキ」「焼肉」「スライス」と用途別に商品を陳列する。調査日は黒毛和牛の「肩ローススライスすき焼き用」(100g399円)、「モモブロック」(100g398円)、「モモステーキ用」(100g498円)などを目玉として提供。豚肉はセンター納品が中心で、スペイン産の「豚バラしゅぶしゃぶ用」(100g99円)などを価格訴求していた。鶏肉もセンター納品が中心で、現場の作業量を減らしているようだ。

 精肉売場にはお客が多く、買物カゴを見ると、購入品目も多いようだ。全体のお客の動きを見ても、精肉が売場の“核”であることがよくわかる。

●まとめ
生鮮食品売場は利益重視?

 ロピアの利益の源泉はなんといっても生鮮食品であり、入口から続く“生鮮ゾーン”の売場づくりが店の業績を左右すると言っていい。

 三田対中店の売場を見ると、「販売額」でなく「利益」を取るための仕掛けがなされていることがわかる。青果は目玉商品を連発するのではなく、相場に基づいた価格設定としており、鮮魚は人手のかかる対面販売をせず、定番商品を中心としたオーソドックスな商品構成となっている。精肉は豚肉と鶏肉をセンター納品とすることで店内の作業量が削減させ、牛肉の加工に店内のリソースを集中させている。

 これまで派手な商品政策を導入してきただけに、こうした利益重視の政策はお客はどう受け止めるのかが気になるところだが、調査期間中の客入りから考えると、お客もこうした売場づくりを受け入れている様子だった。後編では、総菜・日配・加工食品の売場を見ていきたい。

(店舗概要)
開店日 2022年9月23日
所在地 兵庫県三田市対中町19-12
売場面積 約550坪(歩測)
営業時間 10;00~20:00
駐車台数 389台

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