ららぽーと内のロピアと競合! エイビイ新店「海老名店」の売場を解説

矢野清嗣
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「売り切れ御免」の鮮魚売場

 続く鮮魚売場は神奈川県横須賀市にある自社センター「平成鮮魚プロセスセンター」から納品した商品で売場を構成する。売場は壁面28尺で「生するめいか2杯」(599円)、「真いわし」(100g49円)などパック入り丸物18SKUを揃える。6尺の平台では、神奈川県産「金目鯛」(1尾500円)、長崎県産「真あじ」(1尾79円)などを販売。同コーナーは、週末の正午過ぎにはほぼ完売状態だった。

鮮魚売場では販売していた神奈川県産「金目鯛」

 鮮魚はどのコーナーも夕方前には売り切れが目立ち、その販売力に驚かされる。この販売力は当然、その安さがお客に支持されているのは間違いないが、売場全体で鮮度管理が行き届いているという点にも注目したい。

 続く精肉は、壁面84尺と平場48尺で売場を展開する。

 主な商品を見ていくと、牛肉は「国産黒毛和牛サーロインステーキ用」(100g899円)、米国産「牛サーロインステーキ・ブラックアンガス」(100g279円)などステーキ12SKUをラインアップ。そのほか「ローストビーフ用」7SKU、「カレー・シチュー用」4SKU、「薄切り・切りおとし」9SKU、「牛肉・ラム肉焼肉用」13SKU、「豚肉焼肉用」4SKUなどを揃える。

精肉売場で販売していた千葉県産の「名水もち豚」

 豚肉は千葉県産「もち豚」をベースに国産豚肉を25SKU、輸入豚はカナダ産、米国産18SKU、スペイン産イベリコ豚3SKUをラインナップ。鶏肉は国産がベースで、調査日は、「国産若とりモモ肉3枚」を通常価格100g78円(ただし量目によって価格は異なる)のところ、100g49円で提供していた。

 精肉は取り扱い品目が多く、鮮魚と同様に鮮度管理も徹底されている。海老名店は、ららぽーと海老名内に入る「ロピアららぽーと海老名店」と競合関係にあるが、ロピアを意識した対応はみられず、あくまでエイビイのスタイルを貫いている印象だ。たとえばロピアでは冷凍肉を豊富に扱っているが、海老名店では扱わず、生および解凍商品のみの対応となっている。

ローコストオペレーションの真髄

 前述のとおり、海老名店は売場面積1500坪の大型店だが、売場で働くスタッフの少なさには驚かされる。たとえば青果は、売場の裏側に広い荷受け場所を設けているが、夕方近くになると、荷受け場所に商品はほとんどなくなっており、無人状態となっている。鮮魚、精肉も男性スタッフの姿はなく、女性スタッフが補充と商品チェックを行っているくらいで、その人数も少ない。

 これは裏を返せば、「売れすぎて作業が追いつかない」のということなのかもしれない。だが、こうした“売り切れ御免”のオペレーションがエイビイのローコスト体質を支えていることは間違いない。エイビイのローコストオペレーションの真髄と言えよう。

 次回は、日配、冷凍食品、菓子、加工食品、酒類の売場を解説していきたい。

(店舗概要)
所在地 神奈川県海老名市泉2-5-1
開店日 2022年2月16日
営業時間 10:00~19:00
売場面積 1500坪
駐車場台数 389台

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