高価格帯商品の強化、超薄切り肉、節約志向商品……年末商戦を勝ち抜く3つの武器
原材料価格や人件費などの高騰を受けて精肉の値上げが進み、2023年は高額商品と節約志向商品を使い分ける消費の二極化がさらに進むと見られる。本稿では、そうした状況下での年末商戦に向けた精肉部門の販促戦略について3つの切り口から紹介したい。
お歳暮商戦では高価格帯の精肉販売強化を
22年からの値上がりはさらに進み、消費の二極化がよりいっそう進んでいる。そうしたなかで、安易に量販品をチラシで宣伝し、競合他社に対抗しようとするのは悪手だ。むしろ、高価格でも消費者に納得してもらえるような品質をめざしたり、節約志向に対応した商品を独自に開発していくべきだろう。
そうした状況下における精肉の年末商戦の戦略として3つの提案をしていきたい。
まず提案したいのは精肉部門における年末のお歳暮商戦で、自社で上限としている売価である「上限売価」の精肉販売を強化することだ。この挑戦は自社の精肉売場の価値向上にもつながる。
お歳暮ギフトに適したブランド黒毛和牛のステーキ肉をカタログギフトやネット販売などで購入しようとした場合、一般的な売価は100g3000円程度だ。200g購入したとすれば6000円ほどになる。
一方、食品スーパー(SM)で同じグレードの肉を購入すると100gあたり1500円、ステーキ肉200gを2枚買っても6000円。およそ2分の1程度の値段になり、消費者は“お値打ち感”を感じるはずだ。
また、SMにとっても一般的には黒毛和牛100gあたり1500円はほぼ上限売価であるため、十分な売価となる。つまり、SMにとっても消費者にとっても旨みのある戦略だ。
この商機を逃さないために重要なのは
店長必読!売場づくりと販促の教科書 の新着記事
-
2024/10/01
拡大続く冷食 ミールソリューションの観点からMDを構築する方法とは -
2024/10/01
トライアルら出店でスーパーマーケット超激戦区に、宮城県利府エリアの勝者は? -
2024/09/03
2024年冬の総菜MD、イベントの与件変化を丁寧にとらえ、暖冬想定と節約対応を強化 -
2024/09/03
鮮魚部門2024年冬の月別儲かるMD提案!年末商戦のポイントは? -
2024/09/02
24~25年冬 利益を上げるための精肉部門、MD提案 月別強化商品は? -
2024/09/02
2024年冬の青果は相場安定へ、儲かる売場づくりを徹底解説!
この連載の一覧はこちら [119記事]
関連記事ランキング
- 2024-10-01トライアルら出店でスーパーマーケット超激戦区に、宮城県利府エリアの勝者は?
- 2024-09-30セブン&アイと外資、オーケー関西進出後…専門家が語る流通業界再編のゆくえ
- 2024-09-17中国・四国の小売業県別売上ランキング2024 売上高8000億円超!新生フジが存在感
- 2024-09-25市場規模拡大、寡占化進行!小売業12業態、最新市場規模&占有率2024
- 2024-10-02ミドルシニア特化の旗艦店、ヤオコー久喜吉羽店の売場づくりを徹底解説!
- 2024-09-25独自調査で判明!食品スーパー、市場規模&市場占有率2024
- 2024-09-10食品スーパー売上高ランキング2024 上位の順位変動が示す弱肉強食
- 2024-09-14関東の小売業都県別売上ランキング2024 オーケー、ベルクが2ケタ増収!
- 2024-09-103期以上連続増収増益SMは3社、前年と同じ顔触れ ヤオコーとあと2社は?
- 2024-09-17近畿圏府県別小売業売上ランキング2024 ライフ好調維持、大手は最終減益も