価値が見直され「パスタ・パスタソース」の需要は高止まり、市場は拡大継続か

山田 陽美
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コロナ禍による在宅率や内食率の上昇で、好調に推移しているパスタ&パスタソース。2021年上半期はその反動で前年割れとなったが、一昨年と比べて需要は高まっている。パスタの価値を訴求することで引き続き、市場拡大につなげたいところだ。

マカロニのトライアルが進み、メニューが拡大

 日本パスタ協会によると、2020年のパスタの国内需給量は32万7614トンで対前年比14.9%増。そのうち国内生産量は14万7232トンで同5.5%増、輸入量は18万956トンで同23.8%増。国産パスタが品薄になったことで、輸入パスタの需要が大きく増加した。

コロナ禍による在宅率や内食率の上昇で、好調に推移しているパスタ&パスタソース hirobirock/i-stock

 KSP-POSデータのスパゲティの期間通算(2020年8月~21年7月)の金額PIは、2431円で対前年同期比6.7%減。8月~1月までは前年を超えて推移しているが、2月以降は前年割れとなり、3月は同31.2%減、4月は同39%減と大きく縮小した。これは前年の特需による反動といえる。昨年、パスタの喫食機会が増えたことで、乾麺パスタの利便性や保存性の高さなどの価値が見直され、需要は高止まりしているといえそう。

 パスタは引き続き、1食分がわかりやすい結束タイプや、時短調理につながる早ゆでタイプが好調だ。

 一方、マカロニの期間通算の金額PIは、502円で同2.2%減。マカロニもスパゲティ同様に2月までは好調だが、3月~7月まで前年割れとなった。スパゲティが品切れだったため、その代わりにマカロニを選んだ人も多く、マカロニのトライアルが進んだことがうかがえる。マカロニを使ったメニューはサラダやグラタンに加え、さまざまな食べ方へ広がっている。

 日清フーズでは、マカロニをもっと多くの人に利用してもらうため、より簡便性の高い「マ・マー マカロニゆでときました」をこの秋に新発売。電子レンジで1分加熱するだけで、さまざまな料理に活用できるマカロニで、お鍋でお湯を沸かしてゆでる手間がないので便利だ。

 そのほか、機能性を強化した商品も登場しており、はごろもフーズでは低糖質パスタの「Carboff (カーボフ)」シリーズを展開している。

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