超高齢化社会で「認知機能サポート」市場に注目!シニアの目に留まりやすい売場づくりが重要だ

石山 真紀
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認知機能サポートの市場規模推移

 新たな素材も見つかっている。キリングループでは、食領域を中心とした健康で前向きな毎日への貢献をめざして脳科学分野の研究開発を進めており、カマンベールチーズに含まれる乳由来ペプチド「βラクトリン」が加齢に伴って低下する「記憶力(手がかりをもとに思い出す力)の維持に貢献する」ことを発見。キリンビバレッジより、加齢に伴って低下する記憶力を維持することをサポートするドリンクタイプの機能性表示食品「キリン βラクトリン」を発売した。

 また同じ「βラクトリン」を配合した機能性表示食品「記憶ケアヨーグルト βラクトリン」が雪印メグミルクから発売されている。

POPやボードなどを活用しシニアの目に留まりやすい売場へ

 認知機能サポートの機能性表示食品はさまざまなカテゴリーで増加傾向にある。マルハニチロではDHAが1本あたり880mg含まれる機能性表示食品のフィッシュソーセージ「DHAのチカラ フィッシュソーセージ」を展開。菓子カテゴリーではロッテがイチョウ葉抽出物を配合した「歯につきにくいガム粒<記憶力を維持するタイプ>ほろにがミント」と「歯につきにくいガム板<記憶力を維持するタイプ>味わいミント」を発売し話題となった。

 ペットボトル飲料ではコカ・コーラシステムが記憶力と血圧にWではたらくGABAを機能性関与成分として配合した機能性表示食品「からだおだやか茶W」を発売。伊藤園からは日本初となるテアニンと茶カテキンの働きにより“認知機能(注意力・判断力)の精度を高める”機能性表示食品「お~いお茶 お抹茶」が発売されている。

 団塊の世代すべてが75歳以上という超高齢化社会を迎える2025年。超高齢化に伴って介護業界の人手不足などもクローズアップされるなか、健康寿命の延伸に向け認知機能低下への予防意識はさらに高まることが予想される。そんな状況下、毎日の生活に取り入れやすい認知機能サポートの機能性表示食品は、需要が拡大していくだろう。

 とはいえ認知機能サポートカテゴリーは数ある健康訴求の中でも比較的新しく、商品、カテゴリーともに認知率がそれほど高くないことから、ターゲットである中高年層に目を留めてもらう工夫が必要だろう。商品を陳列するだけでなくボードやPOPの使用といった視認性を高めることで気付きを与え、カテゴリーの需要拡大につなげていきたい。

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