ドリンクヨーグルト市場、機能性だけでなくおいしさでも選ばれ、市場動向は底堅く

文:ライター:山田陽美
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さまざまなヘルスクレームを訴求する健康食品が台頭したことで、ヨーグルトの存在感は希薄になりつつあるが、乳酸菌のもつ多様な働きで知られるヨーグルトの健康感は根強いといえる。とくにいつでも手軽に飲用できるドリンクヨーグルトは機能性だけでなく、おいしさでも支持されている。

期間通算の金額PIは前年並み、7月以降は前年割れが続く

 KSP-POSデータのドリンクヨーグルトの期間通算(2022年10月~23年9月)の金額PIは8468円で対前年同期比3.1%増、数量PIは53.70で同3.8%減。23年4月に価格改定が行われたが、4月の金額PIは同3.6%増、数量PIは同5.3%減とほかの月と比べて大きな変動はみられない。ただ7月以降は金額PIでも前年割れが続いている。

 ドリンクヨーグルトで大きなウエイトを占めるのが機能性ヨーグルト。この市場をリードするのが明治の「明治プロビオヨーグルトR-1」だ。この秋は、“R-1乳酸菌EPS”を通常品の2倍(6.6㎎)配合した「明治プロビオヨーグルトR-1ドリンクタイプ The GOLD」を新発売。大切な時の体調管理サポートドリンクとして訴求していく。発売に合わせて、「R-1 The GOLD」を購入するともらえるポイントに応じて応募&抽選で景品が当たるメンバーズプログラムを開始し、継続購買を促進する。

ドリンクヨーグルトのイメージ
さまざまな機能性だけでなく、おいしさでも高い支持を得ている(i-stock/Fascinadora)

 森永乳業では、機能性表示食品を取得したドリンクヨーグルトを数多く品揃えしている。便秘気味の人の便通を改善する「ビヒダスヨーグルト便通改善」や、加齢に伴い低下する記憶力を維持する「メモリービフィズス 記憶対策ヨーグルト」などを提案している。また、血圧、血糖値、中性脂肪の3つの機能性を表示した「森永トリプルヨーグルト」について、今年4月に難消化性デキストリンによる「糖や脂肪の吸収を抑える」機能を新たに追加した。大人の健康をサポートする商品として提案していく。

 また、カネカでは、同社独自素材である還元型コエンザイムQ10を100g配合した機能性表示食品の「わたしのチカラQ10ヨーグルト ドリンクタイプ」が好調に推移。同商品は「睡眠の質の向上に役立つ」「一過性のストレスの軽減に役立つ」「起床時の疲労感の軽減に役立つ」の3つの機能性を取得している。同社ではこの春にキッチンカーによるサンプリングなどで認知拡大を図った。機能性を表示した商品は機能を明確に訴求できることから、トライアルを獲得しやすいメリットがある。

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