生協が「冷凍食品」の商品開発に最も注力する理由

冷凍食品ジャーナリスト 山本純子
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「共感」につながるサステナブル商品を伸ばす

 日本生協連では、2018年6月に採択した「コープSDGs行動宣言」に基づき、コープ商品におけるエシカル消費対応の取り組みを進めている。今年2月からは、環境や社会に配慮した商品であることを示す認証マークの種類が増える中、共通のロゴマーク「コープサステナブル」をパッケージに表示することで、サステナブルな商品を分かりやすく、選びやすくする取り組みを開始した。

 「コープサステナブル」のマーク展開にあたっては、「海の資源を守る」「森の資源を守る」「オーガニック」の3つのテーマで取り組み、共通ロゴの下部にメッセージを表示している。キャッチコピーは、”おいしい、うれしいが「未来につながる」”である。

 冷凍食品では、人気ナンバーワン商品の「さばの味噌煮」に従来から海のエコラベル(MSC認証)が付いている。冷凍食品でのコープサステナブルマーク付きでは、「赤魚の煮付け」が第1号商品になった。これも「MSC認証」の原料を使用した商品である。

コープ・サステナブルマークを付けた「赤魚の煮付け」

 より良いくらし、社会に結びつく消費、エシカル消費の推進は生協の大きな柱となってきた。しかし、その一方で課題も見える。コロナ禍に伴う景気後退で若い世代を中心に、ますます「価格」志向の開発を望む声が高くなっていることだ。生協が消費者運動と購買の両輪を持つ中で、強みもあれば理念と現実の折り合いが難しい課題もある。そんな中で冷凍食品は、食品ロスを生まない経済性があり、サステナブルに配慮した食材調達から考えて考えて計画的に製造する。

山本純子責任編集、冷凍食品専門情報サイトは「エフエフプレス」(https://frozenfoodpress.com/)

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