生協が「冷凍食品」の商品開発に最も注力する理由

冷凍食品ジャーナリスト 山本純子
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2020年度、日本生協連の冷凍食品供給高114%

 2020年度、日本生協連には34万人を超える新規組合員の加入があった。コロナ禍の巣ごもり需要で既存組合員の利用が急伸、さらに新規加入組合員の利用も加わって、ピーク時には宅配で150%超、店舗でも約120%の供給高増があり、物流体制の危機といわれたほどであった。

 同連合会によると、2020年度冷凍食品供給高は前年度比114%と伸長した。伸長したカテゴリーは、総菜116%(和116%、洋119%)、スナック114%、米飯115%、麺116%(パスタ128%、玉めん117%、具付きうどん・そば121%、中華麺112%)、野菜128%(ほうれん草133%、コーン132%、ミックス142%)、ケーキ124%、和菓子140%。また生協独自の開発商品、冷凍離乳食の「きらきらステップ」シリーズ(2017年~)は、この商品の利用を目的に生協加入をする子育て世代がいるほどの人気商品だ。

CO・OPきらきらステップシリーズ

 好調の麺類の中では、既存人気商品の具付きめん、ちゃんぽん、あんかけラーメンが130%以上の伸長だった。供給が追いつかず計画欠品などもあった中での伸長で、驚異的伸びといえよう。在宅時間が長くなり、ランチに手軽に食べられる冷凍めんが人気を得た格好である。昨年度は新商品開発もストップせざるを得なかったが、日本生協連では今春から伸長する冷凍麵類の開発強化を進めている。

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