ヘアカラー市場、ダウントレンドが続くもコロナ禍で消費動向に変化も

石山真紀(ライター)
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染めたカラーをキープするため トリートメント類が伸長

ヘラカラーイメージ
i-stock/NosUA

 KSP-POSによると、白髪用カラーリング剤カテゴリーの2020年4月から21年3月の期間通算の金額PIは、対前年比8.6%減の755.6円、数量PIは同9.3%減の1.08となった。

 コロナ禍においてはさまざまなカテゴリーのマーケットに影響が出ているが、美容関係のカテゴリーはとくに大きな打撃を受けている。

 月別の動向を見ると、卒業式や入学式といった行事のために髪を染める機会の増える4月は例年売上が高い傾向にあるが、20年4月は緊急事態宣言中であり多くの学校で行事が中止となったため前年比で3割近く減少。前年の消費税増税前の駆け込み需要の反動減となった9月も同期比で37.6%減と大きく落ち込んでいる。

 ヘアカラーのマーケットは売上の8割以上を白髪用のカラーリング剤が占めている。近年は美容院で髪を染めることが一般化しており、白髪用、黒髪用ともにセルフのカラーリング剤マーケットはダウントレンドにある。

 しかし20年2月以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響により外出を自粛したこと、さらに美容院での感染を避けたいといった理由から、自宅での髪染めに切り替える生活者が増加。髪の色落ちを防ぐため、トリートメントを切り替えたり、カラーシャンプーを使ったりといった動きも出てきているようだ。

 白髪用カラーリング剤で需要が拡大しているのが、出かける前などでも手軽に染められる部分用の白髪染め。なかでもアッシュ系カラーは黒くなりすぎない自然な風合いで人気があり、男性用の白髪染めでも黒くなりすぎず自然な印象に仕上がるグレー系カラーが人気を集めている。

白髪用カラーリング剤カテゴリーの金額PI月別推移

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