コロナ禍で苦戦したリフォーム市場、テレワークや在宅時間の増加で生まれた「清潔」「タッチレス」の需要に期待

2021/01/06 12:00
「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部 上明戸聡

今期のリフォーム市場は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた。緊急事態宣言が出された4~5月頃から、外出や接触を避ける動きが広がり、市場は沈滞化した。しかしその後、テレワークや外出自粛などで在宅時間が増えたことで、さまざまなリフォームニーズが活性化に向かっている。こうした新需要への取り組みが、今後の成長を図るうえでポイントにもなっていきそうだ。

本ページの構成は下記のとおり
カインズ:ケーススタディ
大建工業:ホームセンターチャネルを強化
TOTO:付加価値戦略の強化

ケーススタディ
株式会社カインズ

トイレや洗面化粧台の施工付きパックを訴求して成功

リフォーム トイレ関連売場
今期はトイレ関連が好調。タンク一体型のトイレと壁紙の交換をセットで提案した

 カインズのリフォーム部門では、店頭に商品を展示し、設備機器の販売や施工をセットにした提案を幅広く展開している。今期はコロナの影響を受けたことで、例年と大きく異なる動きがあった。

 株式会社カインズ商品本部リフォームエクステリア事業部施工サービスバイヤーの山本篤志氏は、「3〜5月頃はどちらかといえば販売を考えるというより、メーカー側の安定した商品供給が滞る事態が起こり、まずその対処を重視せざるを得ませんでした。また感染防止の観点から積極的な営業やイベントも中止したことで、お客さまとの接点が減少し、売り上げには少なからず影響しましたが、このような状況下でも、多くの取引先の協力により在庫を確保していただき、工事の大きな遅れは防ぐことができました」と言う。

 当初山本氏はコロナをきっかけに、逆に除菌や抗菌といったテーマでの販促が見込めると考えていたが、商品が揃わないなかでは難しかったと言う。

 緊急事態宣言が解除される6月を前に、どのような施策であればお客様のニーズに応えられるか対策を打ち合わせた。先が見えにくい状況でもあったので、工期が短い物やDIY的な商品に注力することにした。除菌・タッチレス・巣ごもりをテーマに、生活必需品のトイレ・洗面化粧台といった水回り商品や、物置・カーポートなどの外回り商品まで、10万円以下の定額パックにて、どこよりも早く価格を訴求したチラシを掲載するほか、SNS等での訴求を行った。以降、小工事が中心ではあるが売上も前向きになり、販売動向の転換店となる。

 中でもトイレ関係が好調で、除菌水を使用するトイレなどは、コロナ以前から主力のプライスゾーン商品として注力してきたこともあり、販売を伸ばした。

リフォームのトイレ関係では「トイレ小便フラッシュ」の訴求
トイレ関連の中では清潔につながる「トイレ小便フラッシュ」の訴求も強化

 またそれ以上に大きな伸びを示したのがタッチレス水栓だった。「通常の混合栓と比べて3~4倍の価格帯になりますが、今年は、前年の40倍の伸びにより、混合栓の売り上げ№1商品となりました。また、コロナ禍での巣ごもり傾向の中、DIY商品の混合栓やシャワーヘッドが2倍以上の伸びで売れております」(山本氏)。

リフォーム タッチレス水栓
今期大きく売上を伸ばしたタッチレス水栓。今後の成長も期待している

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