外食需要取り込みと生産性向上進める、平和堂の総菜戦略を徹底解説!

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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総菜大

平和堂(滋賀県/平松正嗣社長)は、外食需要の取り込みをねらった総菜の開発、売場づくりに力を入れている。なかでもおいしさにこだわるオリジナル商品を強化し、競合店との差異化を図る。一方、部門の効率運営、生産性向上にも取り組み、慢性的な人手不足、原材料の高騰などの課題にも対応している。

オリジナル商品の構成比を24%へ

 この2年、平和堂の総菜部門は他企業と同様にコロナ禍の影響を強く受けた。2020年初旬は来店客数の減少によって苦戦。とくに感染者が急増した同年4月の売上高は、対前年同月比7%減と大きく落ち込んだ。これに対し揚げ物のバラ売りをやめたほか、家飲み需要に合った品揃えをするなどの対策が奏功し業績は徐々に回復。最終的に20年度の通期実績は対前年度比3%増と巻き返しに成功する。

 翌21年度は、変化した消費者の買物動向に応じた部門運営にシフトした。具体的には、人々の在宅時間が増えたことで午前中の利用客が拡大したため、その時間帯に商品を十分に供給できる体制を整えた。

 「従来はどちらかといえば夕方の利用を前提としていたため、午前中に利用客が増えても商品の製造が追いついていなかった」。こう振り返るのは、生鮮食品事業部デリカ課チーフバイヤーの村上智亮氏である。 店内で加工しなくてもおいしさに差がつかない商品については、アウトパック化、キット化することで生産性を向上させた。たとえば、定番のいなり寿司や焼きそばは、自社プロセスセンター(PC)で商品化、もしくは半製品にまで仕上げた状態で店舗に納入した。これにより浮いた人時を午前中に投入して品揃えを拡充、機会ロスを削減した結果、21年度の実績は対前年度比4.8%増で着地することができた。

 コロナ禍が続く現在、総菜部門が重要戦略に据えているのは、外食需要からの取り込みである。そのもとに新たな商品や売場づくりにチャレンジし、需要の取り込みを図ってきた。今期も総菜部門の売上高は好調を維持しており、今年3月は対前年同月比3.8%増、4月は同

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