キリン堂の生鮮強化型フード&ドラッグ 約1年で3店舗体制に300坪生鮮強化型が進化

植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集者)
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関西地方を中心に416店舗(23年12月末時点)のドラッグストア(DgS)、および調剤薬局を展開しているキリン堂ホールディングス(大阪府/寺西豊彦社長:以下、キリン堂)。同社は現在、生鮮強化型のフード&ドラッグフォーマットの開発に注力しており、今後さらに店舗を増やしていく考えだ。同フォーマットの最新店舗である「キリン堂神戸桜が丘店」(兵庫県神戸市:以下、神戸桜が丘店)の売場づくりから、同社のフード&ドラッグ戦略の最前線に迫る。

キリン堂神戸桜が丘店 店舗概要
キリン堂神戸桜が丘店 店舗概要
●所在地: 兵庫県神戸市西区桜が丘中町3-2-16
●営業時間: 9:00~21:45
●売場面積: 約300坪
●リニューアルオープン日: 2023年11月23日
●駐車台数: 約50台

2店舗を改装し“食品強化”店舗に

 キリン堂がフード&ドラッグフォーマット開発のきっかけとなる店舗を出店し始めたのは2015年のことだ。お客の来店頻度向上のための戦略の1つとして、コンセッショナリー(コンセ)形式で最低限の精肉と青果の導入を開始した。さらに日配品や冷凍食品などを拡充した約300坪の食品強化型フォーマットを開発し、「キリン堂金沢松村店」(石川県金沢市)、「キリン堂石津南店」(大阪府寝屋川市)などを改装オープンした。

 その後、22年12月に「キリン堂大淀新野店」(奈良県吉野郡:以下、大淀新野店)を、医薬品や日用雑貨、小型家電のほか、加工食品、グロサリー、日配品、精肉、青果などの食品を揃えた生鮮強化型のフード&ドラッグ店舗にリニューアルし、食品強化に本腰を入れた。精肉・青果は従来と同様、コンセによる運営だが、売場面積、品揃えを大幅に拡大した。

生鮮と加工食品売場を隣接
食品売場は買い回りがしやすいよう、生鮮と加工食品売場を隣接させている

 大淀新野店の好調を受けて23年9月にオープンしたのが、生鮮強化型のフード&ドラッグ2店舗目の「キリン堂羽束師(はづかし)店」(京都府京都市:以下、羽束師店)だ。同店の精肉・青果は大淀新野店と同じくコンセ形式にしたが、アウトパックではなく完全なインストアに切り替えた。ブランド・チャネル開発本部 生鮮・コンセ部長の山川敦史氏は、「インストア加工の場合、時間帯によって商品を変えるなど、売場の状況を見ながら柔軟に商品をつくることが可能だ。また、商品のバラエティが潤沢になる」と説明する。

ブ山川敦史氏(右)と羽賀田拡伸氏(左)
ブランド・チャネル開発本部生鮮・コンセ部長の山川敦史氏(右)と神戸桜が丘店店長の羽賀田拡伸氏(左)

 羽束師店で新たに導入したのが、いずれも自社運営のインストアベーカリーと店内調理のホットスナックだ。インストアベーカリーを始めるにあたっては社内で担当者を公募。担当者が他社ベーカリーでスキルを習得したうえで、パート社員にそのノウハウを伝授した。インストアベーカリーの作業場はシースルーとし、売場で焼き上がったパンの匂いを漂わせて出来たて感を演出している。

 精肉売場も同様、売場から加工場がガラス越しに見えるようにすることで鮮度感をお客に訴求。山川氏は「好調だった大淀新野店より、さらに売上は伸長した。生鮮をインストアに切り替えたことや、加工場を見えるよう工夫したことが奏功している」と話す。

300坪フォーマットに青果・精肉、塩干を導入

 そして、大淀新野店と羽束師店から得た知見を基に23年11月23日、フード&ドラッグ業態の3店舗目として神戸桜が丘店をリニューアルオープンした。

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記事執筆者

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修了。関西のグルメ雑誌の編集部に所属後、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。日本酒、特に関西の地酒好き。趣味は、未知のものを食べること。「口に入れてから考える」ことをモットーに、日々さまざまな食べものを味わっている。

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