ファストリ業績絶好調も…日本の大衆から乖離するユニクロはどこへ行く?
客数減で伸び悩む国内ユニクロ
連結決算は絶好調だが、海外ユニクロ事業が牽引した結果である。国内ユニクロ事業は停滞を抜け出せないでおり、その要因はコロナが明けても回復が進まない客数にある。
国内ユニクロ事業の既存店売上前年比(Eコマースを含む)は22年9月〜23年2月の110.0から、行動規制が解除された23年3月〜8月は104.7と減速し、23年9月〜11月は100.2と水面スレスレまで落ち、12月は前年が116.9と高かったこともあって84.6と2ケタ減となった(24年1月も100.4と水面スレスレ)。
既存店客数も低迷しており、22年9月〜23年2月は98.4、23年3月〜8月は95.3、23年9月〜11月も97.2と前年を割り続け、12月は85.4と大きく落としている。直近の24年1月も98.7と前年割れしている。
これをコロナ前の19年比で見ると、売上は22年9月〜23年2月こそ105.7と水面を超えていたが23年3月〜8月は100.0と水面まで低下し、23年9月〜11月は95.2と落ち込み、12月も93.4と低迷、24年1月も97.2にとどまる。
同様に19年比の客数は、22年9月〜23年2月の95.6から23年3月〜8月は84.7と急落し、23年9月〜11月は92.2とやや戻したものの12月は82.7と再び落ち込んでいる。この間、客単価は22年9月〜23年2月114.1、23年3月〜8月は118.0と値上げが浸透したが(その分、客数は落ち込んだ)、高気温で秋冬アウターの動きが鈍かった23年9月〜11月は103.4と客単価が伸びず、12月は112.9と再上昇して客数が落ち込んだ。