ウィズコロナ時代のショッピングセンター経営25 オンラインネイティブが創る次世代SCとゲームチェンジ

西山貴仁(株式会社SC&パートナーズ 代表取締役)
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「オンライン生活、大変だね」と心配そうに言うのはオフライン生活を送ってきた人たちだ。今年の新入社員は「採用試験はすべてオンラインでした」「授業はオンラインで受講しました」と言う。既にオンラインが「主」でオフラインが「従」。この環境下でショッピングセンター(SC)がどのように変化(進化)していくのか、今号では考えたい。

SCビジネスは大きな変化の岐路に立っている(metamorworks/istock)
SCビジネスは大きな変化の岐路に立っている(metamorworks/istock)

相次ぐ転職の挨拶…

 最近、毎日のように転職のメールと報告が来る。コロナ禍の今、人生を切り替える人が多い。特に若い人がSC業界に将来を感じなくなっているようだ。SCビジネスは、2018年にピークアウトし、このコロナ禍を迎えている。リアルビジネスであるSCは、休業や顧客動員数の激減、そしてネット流通の台頭を目の当たりにしている。

 コロナ前、消費市場は比較的堅調だったこともあり、SCの仕事も充実していた。多少、会社に嫌な点はあってもそれほど気にならなかっただろう。ところがコロナ禍で、毎日後ろ向きの業務に忙殺され、変化を迫られてきた。その上でITを駆使した改善策やこれまでのコミュニケーションを問い直す提案も、過去の成功体験に固執する年配の管理職は聞く耳を持たない。SNSの活用など年配の耳には響かないばかりか「少し我慢すればまた元に戻るだろう」と返されるだけだ。

 そして、度重なる緊急事態宣言と変異株の猛威、ワクチン接種の遅れ、開催を強行しようとするオリンピック・パラリンピックへの疑問。先が見えない今、彼らが抱えるストレスは際限がない。嫌気がさした若者は他業界に移っていく…

 この半年、そんな状況を何度も見てきた。若者の流出が止まらない。 

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