ウィズコロナ時代のショッピングセンター経営23 モールリテール、ネットリテール、その先にあるSC進化論

西山貴仁(株式会社SC&パートナーズ 代表取締役)
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小売形態の変遷

 今度は前述した歴史に沿って、小売形態の変遷を追う。

 196070年代、店舗という「ストアリテール」が増加。その後、ストアリテールが並ぶ商店街「ストリートリテール」が形成される。

 その後、中心市街地で「タウンリテール」が伸長する。いわゆる“路面店文化”である。その一方で都市への人口集中と鉄道網の発達、高速道路の整備などが進んだほか、グローバル経済の発達により空港の利用客も増加。鉄道駅や空港、サービスエリア・パーキングエリアなどの交通結節点における「トランジットリテール」が躍進する。「駅ビル」「エキナカ」がこの典型である。

 他方で地価の高騰や住宅地開発(ニュータウン開発)によって住宅の郊外化が進んだほか、モータリゼーションも手伝い、大規模な駐車場を備える「モールリテール」が増加。それがリージョナル型やアウトレットモールなどに分化・枝分かれしていく。今後登場する形態では「カジノリテール」があるが、IR(統合型リゾート)法案で予定されているのは3カ所に過ぎず、時期も2020年代後半と言われている。

百貨店の衰退

 かつて“小売の雄”と言われた百貨店の隆盛と衰退も、前述した小売業の歴史に連動する。町場で呉服屋として始まった百貨店の前身はまさしくストアリテールの走りであり、その立地も江戸時代から続く城下町などの中心市街地にあるのはそのためである。

 鹿児島の天文館、博多の天神、広島の紺屋町、京都の四条、名古屋の栄、仙台の一番町、札幌の大通りなど挙げればキリが無いほど全国には類似の街の発展がある。

 しかし時代は変わり、国民の生活は鉄道が中心となり、人の流れは中心市街地から鉄道駅に移っていく。その変化を察知した鉄道各社は駅上に「ターミナル百貨店」なるものをつくる。しかし、住まいの郊外化、モータリゼーションの発達、競合施設の増加などからターミナル型百貨店も地方都市から徐々にその営業を閉じているのが現状である。

 

 

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