31. 販促、ネットスーパー…2度目の緊急事態宣言で確認するスーパーが進む新常態のゆくえ

宮川耕平(日本食糧新聞社)
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集客の平準化は、密集回避よりもオペレーションの理想?

 前回の緊急事態宣言では、チラシ販促は業界全体で止まりました。今回の対応は企業によって異なるようです。2週目にあたる中旬の状況は、チラシそのものをやめたところ、回数を減らしたところ、変わらないところ、それぞれです。これは週間単位のチラシであって、月間単位の販促は、すでに打ち出してしまった後ということもあるでしょうが、変わりなく実施している印象です。そもそも販促施策そのものが、ウィズコロナ対応に変わっているといえそうです。

 コロナ以前のスーパーの販促といえば、「この曜日はコレが安い、だからこの日に来てください」的な手法が標準でした。ヨーグルトが安い日、ワインが安い日、もしくはポイント何倍の日、といったものです。それらの多くは、コロナをきっかけにやり方が変わりました。特定曜日ではなく、数日間の幅を持たせてみたり、一定期間で使えるクーポン券に切り替えたり、月間単位のEDLP施策も一段と広がりました。

 新型コロナを契機に変わった販促施策の代表的なところで、イオンリテールは「火曜市」を廃止しました。アフターコロナになっても、復活する予定はないとしています。なぜかと聞くと、火曜市で作る売上げの山は、オペレーションの平準化を妨げる課題でもあったということです。

 コロナ禍で3密対策を迫られると同時に、積年の課題解決に向けて販促の見直しに着手する・・・。イオンリテールに限らず、多くのチェーンがそのように考え、オペレーション負荷の軽減も含めて過度な売上集中を是正しようとしています。

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