31. 販促、ネットスーパー…2度目の緊急事態宣言で確認するスーパーが進む新常態のゆくえ

宮川耕平(日本食糧新聞社)
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首都圏を皮切りに2度目の緊急事態宣言に突入した1月、スーパー各社は整然と対応しました。前回のようにストック需要が爆発するといった混乱もなく、消費者も供給サイドも、ウィズコロナの生活に対する経験を確かに積んでいる印象です。スーパーの対応に関して言えば、緊急事態の直前と変わるところはあまりなかったというくらい、新常態が定着しているといえるかもしれません。ノーマルになりつつあるのは店舗の防疫体制であり、販促施策であり、オンライン強化の流れです。

安全安心、買い方の多様化。スーパーの新常態は確実に浸透
安全安心、買い方の多様化。スーパーの新常態は確実に浸透

防疫体制は万全のその先へ

 防疫に関する各社の取り組みは、必要十分の域を超えて洗練に向かっているほどです。買物カゴの除菌作業は各社でルーティン化していますが、イオンリテールの一部店舗は設備を導入して自動化しています。「ジョキンザウルス」と名付けられたタワー型の機械が、カゴを1個1個、紫外線照射で除菌します。スケルトン仕様のマシンですが、開発した京都のメーカー「ニューネクスト」には、耐久性も考えて異なる仕上げにする意向もあったようです。ただ、こればかりは作業の様子を見せた方が、顧客の安心につながると思われます。先行導入店では、ボードも掲げて来店客にアピールしています。

 各社、会計レジには透明のボードやシートの設置が一般化しました。レジ係はマスクに加え、フェイスシールドを装着している場合も多いです。顧客もマスクをしているので、従業員と顧客とで互いに声が聞き取りづらいといった弊害も出てきます。サミットではレジに集音設備を導入し、この課題の克服に努めています。安全を確保したうえで聞き取りやすさという快適を追求する、まさに安全安心の先を目指した工夫です。

 

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