ヤオコー、コロナ禍で絶好調 その秘訣が、オーケー、ベルクとの価格比較調査で明らかに!

調査・文=矢野清嗣
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オーケー、ベルクにも負けない
的を絞った巧みな低価格訴求策

新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大の影響を受け、食品スーパー(SM)各社は好業績に沸いている。なかでも好調ぶりが際立っているのがヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)だ。同社が他チェーンより支持を得ている要因は何か。価格調査を実施すると、ヤオコーの巧みな価格戦略が見えてきた。(調査日2020年10月17日)※本文中の価格はすべて本体価格

既存店売上高が7カ月連続2ケタ伸長

 はじめに、コロナ禍でのヤオコーの好調ぶりについて触れたい。

 SM各社の業績が大きく伸び始めたのは、政府から学校への一斉休校要請があった2月からだ。ヤオコーの既存店売上高伸長率(対前年同月比)を見ると、2月11.0%、3月12.9%、4月18.8%、5月19.4%、6月12.1%、7月13.5%、8月14.0%、9月2.3%。直近の9月こそ、前年の消費税増税の駆け込み需要による反動減の影響もあってか、伸長幅が少なかったものの、7カ月連続で2ケタ伸長を続けてきた。

 緊急事態宣言後の6月以降の競合他社の同数値を見ると、ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)は、6月2.5%、7月7.1%、8月10.5%。ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都/藤田元宏社長)は、6月3.7%、7月5.3%、8月8.5%で、いかにヤオコーが高水準で成長しているかがわかる。

 好業績の秘訣を探るべく、今回はヤオコーの本拠地である埼玉県内の同社店舗のなかから、とくに激しい競争を繰り広げている「戸田駅前店」(戸田市)、「浦和大久保店」(さいたま市)、「川越新宿店」(川越市)の3店で、競合店との価格比較調査を実施した。この結果をもとに、同社がいかに競合店との差別化を図っているか見ていこう。

ヤオコー戸田駅前店VSオーケー戸田駅前店(埼玉県戸田市)

オーケーの地域最安値に「厳選100品」で対抗

ヤオコー戸田駅前店
ヤオコー戸田駅前店

 戸田駅前店は、J R埼京線「戸田」駅西口から南へ約400mにある。駅の改札の目の前にはサミット(東京都)の「サミットストア戸田駅店」が、また駅西口を出て正面にある商業施設「T-FRONTE」1階にはオーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)の「オーケー戸田駅前店」があり、近距離で有力SMがしのぎを削る激戦区だ。

 今回はとくにヤオコーと距離が近いオーケーとの価格比較を行った(図表)。

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