ZOZO礼賛の後に手のひら返しした人に読んで欲しい、ZOZOの戦略の本質と評価

2019/06/12 05:00
河合 拓

ZOZOSUITが世に出たとき、私の周りの「コンサルタント」達は狂乱していた。理由は、そこに「近未来」を感じたからだろう。その後、アナリスト達が便乗し、「ZOZOSUITで、ZOZOはユニクロに追いつくどころか打ち倒す」、「ZOZOは世界の覇者となる」とまで言い切る人まででてきた。だが、当時から私には、なぜそれほど評論家達が狂乱するのか理解できなかった。

私がZOZOSUITが苦戦するだろうと感じた理由

 私がこのSUITは苦戦するだろうなと配布当時から感じていた理由は、325日掲載の日経xTECH上でなされた詳細な分析とほぼ同意見なので参考にしてほしいが、そもそも実際に事業をしているものであれば「一般消費者達が、あのような手間な計測ツールを利用しがたい」ことは容易に想像がつくだろう。

  致命的だったのは、ZOZOSUITが世に出たとき、そのSUITを使って購入するプライベートブランド(PB)の服の陰も形も分からなかった点だ。ZOZOは、先にSUITを出して、遅れてプライベートブランドを発表した。我々は、「服屋」であれば「服」を売る、「消費者」であれば「服」を買う。目的は「服を買うこと」だ。その服の姿形もわからないのに、なぜ「ZOZOSUITで世界制覇が可能だ」と言えるのかということだった。

 そもそも、サイズを計測することは、服を買う目的の一つの手段に過ぎない。ZOZOはリアル店舗を持たないため、ZOZOSUITというツールを用いてそのギャップを埋めようとしたのである。勝負は、PBが出てからのはずだった。

 よくよく調べてみると、騒いでいたのはアナリストやコンサルタントなど、おおよそ自分では服を買わなそうな「評論家」やハイテク好きな非消費者が多かったように思う。だから、私は「うまくいかないな」と直感したのだ。ヒット商品は、ダイレクトに消費者が反応するものだ。「外野」がいくら騒いでも、目的不在の状態では、テクノロジーの評価は下せてもビジネスとしての評価は下せない。

 そのデザインが近未来的だったこと、そして、そのような発想でリアル店舗を持たない「弱み」を克服しようとした試みは、新しいことにチャレンジしない日本のアパレルと比べて素晴らしいトライだと高く評価すべきだと思う。しかし、服屋としての「本来目的」に立ち帰れば、HOW (計測技術)もさることながら、WHAT (商品完成度)についてもっと煮詰めるべきだった。なぜなら、我々が買うのはSUITではなく、服だからだ。

 ZOZOは、ナイストライだったはずのSUITを、「外野」に翻弄され潰されたといえないか。その後、アパレル・ビジネスとは関係ない有名女優との交際や宇宙旅行などの話題で、ZOZOはメディアを賑わすが私はそのことに全く興味はない。なぜなら、それらはアパレルビジネスとは関係ないからだ。

次のページは
ZOZOARIGATOは、実はフェアな値引きの仕方だった!?

1 2

人気記事ランキング

© 2019 by Diamond Retail Media