冷凍食品強化に冷や水=おせち配達控え警戒感―百貨店

時事通信社
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 高島屋の冷凍クリスマスケーキが崩れて顧客に届いた問題は、冷凍食品を強化している他の百貨店の動きにも冷や水を浴びせかねない。コロナ禍の巣ごもり需要で、「名店の味」を手軽に味わえる冷凍食品は人気が拡大。冷凍おせちの配送本格化を間近に控え、「人ごとではない」(大手)と警戒感が高まっている。

 都内のある百貨店は今回の問題を受け、冷凍おせちの配送事業者に改めて温度管理の徹底を要請した。別の百貨店の担当者は、「何かあればSNSですぐに拡散する。管理をより一層徹底しなくては」と危機感を募らせる。

 冷凍食品は温めるだけで食べられる上、日持ちするため長期保存できる。近年は技術の向上で有名店のメニューを味を落とすことなく冷凍できるようになり、品ぞろえも豊富になっている。

 大丸松坂屋百貨店は新年の冷凍おせち商品を前年より7点増やし43点にした。常温なら大みそかに店頭に受け取りに行かなくてはならないが、冷凍は「遠方に住む親戚に百貨店の味を届けられると好評」(広報担当)という。

 松屋銀座(東京)の冷凍食品売り場では、銀座の老舗レストランのメニューが人気で、おせちやお歳暮のラインアップにも欠かせない。三越伊勢丹やそごう・西武のオンラインストアでも、豪華な冷凍食品は主力商品のひとつだ。

 冷凍食品に詳しいジャーナリストの山本純子さんは、「今回は不十分な対応が引き起こした個別の事故。冷凍食品そのものの価値が損なわれるものではない」と話している。

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