忘年会は「少人数」「二次会なし」=予約急増も客数戻らず―居酒屋業界

時事通信社
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3人での忘年会を楽しむ会社員
〔写真説明〕3人での忘年会を楽しむ会社員=1日、東京都港区の「三代目鳥メロ 新橋銀座口ガード下店」(時事通信社)

 年の瀬が迫る中、今年は居酒屋での忘年会の予約が急増している。閑古鳥が鳴いていた過去2年に比べ、コロナ禍への警戒がやや緩んでいるようだ。ただ、気心の知れた人との少人数での予約が大半で、職場の大宴会などは少ないまま。全体の客数はコロナ禍前に及ばないほか、二次会需要も戻って来ず、居酒屋の苦境は続きそうだ。

 居酒屋チェーン「北の味紀行と地酒 北海道」では、11月第3週までに入った12月の予約件数がコロナ禍前の2019年の1.5倍に急増。ただ、人数は8割程度にとどまっている。

 運営するコロワイドが会社員を対象に実施した意向調査では、忘年会を「5人以下で実施予定」と回答した人は、職場の仲間うちで約6割、プライベートで8割に上った。同社は「小規模でも身近な仲間と楽しみたい人が多い」と分析している。

 居酒屋大手ワタミも、12月の予約は前年の8倍に達しているが、人数は19年の4割程度。同社運営の「三代目鳥メロ 新橋銀座口ガード下店」の男性店長は「にぎわいはかなり戻りつつある。ただ、終電までに帰る人が多い」と話す。

 プライベートな忘年会が増える中、お酒が苦手でも楽しめるノンアルコールや低アルコールのメニューを提供する動きも広がりつつある。コロワイドのチェーン店では、飲み放題メニューにアルコール分0%ながらハイボールの味が楽しめる飲料などを取りそろえる。

 メーカー側も、新たな忘年会の形をノンアル飲料アピールの絶好の機会と捉える。サントリーは2~9日、東京・新橋駅近くでワイン風飲料など9種のノンアル飲料が楽しめる「のんある忘年会酒場」をオープン。担当者は「お酒が飲めない人でも少人数、短時間での忘年会を楽しんでほしい」と話している。

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