小売り大手、インフレで業績悪化=消費行動の変化も打撃―米

時事通信
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米国のスーパーマーケットで買い物をする客
〔写真説明〕米国のスーパーマーケットで買い物をする客=4月21日、カリフォルニア州ローズミード(AFP時事)

 【ニューヨーク時事】新型コロナウイルスの流行下で好調を維持してきた米小売り大手の業績が、高インフレで打撃を受けている。経済活動が正常化する中、消費の対象がモノからサービスに移っていることも、大きな逆風になっている。

 ウォルマートは2~4月期の純利益が前年同期から約25%減り、通期の業績予想も下方修正した。マクミラン最高経営責任者(CEO)は「食品や燃料などの値上がり」が利益を圧迫したと説明。同業のターゲットも輸送費などの上昇が響き、純利益が半減した。両社は業績改善に向け、値下げや余剰在庫の圧縮を余儀なくされている。

 両社はコロナ禍に伴う生活必需品や巣ごもり関連商品の需要増に支えられ、2020年に業績が大きく伸長。21年もおおむね好業績を維持した。ただ、物価高に伴い消費者が必需品以外の商品を買い控えているほか、より安価な他店に流れている。米国の「100円ショップ」のような存在であるダラー・ツリーとダラー・ゼネラルは、インフレが追い風となり業績予想を上方修正した。

 消費傾向の変化も鮮明だ。米金融大手のクレジットカード利用データによると、食品やガソリン価格高騰のあおりを受け、家具や家電製品などの耐久財の消費は5月第4週に前年同期から11%減った。一方、航空機代や宿泊費、外食費などのサービス消費は伸びている。

 10日発表の5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.6%上昇と、約40年ぶりの大きな伸びとなり、記録的な物価高が続いていることを改めて示した。ウォルマートなどの値下げがインフレ抑制につながることを期待する声もあるが、サービス消費の「力強い勢い」(同金融大手)で帳消しになる恐れがある。

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