近鉄百貨店、枚方店閉鎖などリストラ実施、増資で資金調達

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 近鉄百貨店は9月21日、枚方店(大阪府枚方市)を閉鎖するなどの構造改革を実施すると発表した。同社は親会社の近畿日本鉄道が建設中の超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)に日本最大級の10万平方メートルの営業面積を持つ阿倍野新本店を2014年春に開業する予定で、地方店などのリストラを実行して阿倍野新本店に経営資源を集中する。

 枚方店は来年2月末で閉鎖する。売り場面積約1万2800平方メートルと百貨店としては小規模の同店は、10年度の売上高がピーク時の半分の81億円にまで落ち込んでいた。

 三重県名張市にある桔梗が丘店は約1万4000平方メートルの売り場面積を約5500平方メートルに縮小し、空いたスペースにはテナントを入れるなどして収支の改善を図る。また、和歌山店の事務所などが入居する和歌山近鉄会館(和歌山市)も閉鎖し、来年春をめどに解体する。

 これら一連のリストラに伴って2011年3~8月期で約99億円の特別損失を計上、このため純損益は従来予想の4億円の黒字から99億円の赤字に転落する。2012年2月期通期でも131億円の最終赤字(前期は約18億円の黒字)となる見通し。

 こうしたリストラ費用と阿倍野新本店の投資費用を賄うために10月末に第三者割当増資を実施、約250億円を調達する。引き受け先は親会社の近鉄のほか大林組、竹中工務店など計8社。

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