イオンウエルシア九州のフード&ドラッグ新業態「ウエルシアプラス」1号店独占レポート!

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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「ただのスーパーじゃん」というお客の一言に手応え

イオンウエルシア九州代表取締役社長 安倍俊也氏
イオンウエルシア九州の安倍俊也社長

 大野城若草店では4月6日のオープン以降、売上は計画を上回って推移しているという。取材日は近隣に住むファミリー層やシニア層、また当日は近隣の学校で始業式があったことから、学生グループの来店も目立ち、幅広い客層で賑わっていた。

 安倍社長はオープン日、近くにいたお客から漏れ出た、「これ、ただのスーパーじゃん」という一言を聞いて手応えを感じたという。「食品については通常の食品スーパーと遜色ない品揃えをめざしているし、お客さまにもそう感じてほしいと思ってウエルシアプラスを開発した。それがオープン時点でお客さまに伝わったことがうれしい」(同)

 イオンウエルシア九州では今後、福岡県・熊本県内を中心にウエルシアプラスの出店を加速していきたい考え。イオン九州の柴田祐司社長は4月12日に開かれた同社の23年2月期決算説明会で、「大野城若草店のかたちがお客さまにどう受け入れられていくのかを見ながら改善を重ね、出店を続けていく」と言及。また、ウエルシアの松本忠久社長も決算説明会において「(ウエルシアプラスで得た)ノウハウをもとに、各エリアでイオンのグループ企業と(フード&ドラッグ業態を)やっていける」と、将来的な全国への波及も示唆した。

 イオンウエルシア九州発足時には「2030年度に最低でも200店舗」という壮大な目標も掲げれたが、まずは今年度中に6~8店舗、24年度中には約30店舗の出店をめざす考え(イオン九州柴田社長の決算説明会での発言より)だ。

 ウエルシアプラスは早期に高速出店のフェーズに入るのか、そうなったときにコスモス薬品(福岡県)、ドラッグストアモリ(同)など九州内で競合するドラッグストアがどう対抗してくるのか。九州の小売市場から目が離せない状況は続きそうだ。

<店舗概要>

所在地 福岡県大野城市牛頸4-12-22

営業時間 9:00~24:00(調剤薬局 10:00~14:00/15:00~19:00 土日祝日休み)

売場面積 約1000㎡

駐車台数 98台

アクセス JR鹿児島本線「春日」駅からバスで約20分

※ウエルシアプラス大野城若草店については、雑誌「ダイヤモンド・チェーンストア」5月1日号でもさらに詳しくレポートする予定です。ぜひご覧ください。

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記事執筆者

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2016年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)。

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