食用油市場、市場成長は踊り場へ 付加価値の高いオイルの提案が急務

ライター:山田陽美
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家庭用食用油2023年4月~12月の伸長率
家庭用食用油2023年4月~12月の伸長率

オリーブは価格上昇で前年割れが続く

 オリーブオイルは、金額ベースで対前年同期比3.2%減、物量ベースで同23.1%減となった。オリーブオイルは主要原産国であるスペインの不作による減産で相場が高騰しており、各社では2年連続で値上げを行った。それにより、ユーザーの使用量が減少していることが予想される。スペインの生産量は回復しておらず、今年も値上げは避けられない状態だ。今後はオリーブオイルのよさを訴求して、間口拡大につなげていく必要がある。

 ごま油は、金額ベースで同1.8%増、物量ベースで同2.9%減。ごま油も同様に値上げが行われたが、炒め調理から料理の風味づけまで、幅広く家庭に定着しているため、堅調に推移した。

 体によい成分を含み、サプリメントのように毎日の摂取が推奨されるサプリ的オイルは、金額ベースで同9.5%減、物量ベースで同6.6%減。金額ベースの主な内訳は、しそ・えごま油が同28%減、アマニ油は同15.9%減、中鎖脂肪酸油(MCTオイル)が同38.3%増。一般的な食用油に比べ消化吸収がよく、エネルギーになりやすいMCTオイルは、金額・物量ともにしそ・えごま油を抜き、サプリ的オイルの軸として育ちつつある。MCTオイルを使用した加工食品が続々発売されており、日清オイリオグループのMCTオイルを使用した加工食品は延べ126アイテム(24年1月時点)にまで広がっている。

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