生鮮を安く売るマミーマート の生鮮市場TOPの価格戦略と売場づくりを徹底分析!

解説:海蔵寺りかこ (KTMプラニングR代表)
Pocket

価格戦略大

埼玉県を中心に首都圏で食品スーパー(SM)を展開するマミーマート(埼玉県/岩崎裕文社長)。同社は近年、従来の主力フォーマット「マミーマート」から、価格訴求力を強めた「生鮮市場TOP」「マミープラス」への業態転換を進めている。本稿ではこのうち、「生鮮市場TOP」の調査を実施し、同フォーマットの戦略を解説する。
調査日:2022年10月20日(本文中の価格は調査日の本体価格)

ビバモール内の店舗を業態転換

 今回の調査で訪れたのは、2022年4月20日に「マミーマート」から業態転換してリニューアルオープンした「生鮮市場TOPビバモールさいたま新都心店」(埼玉県さいたま市:以下、ビバモールさいたま新都心店)だ。同店は、ホームセンター「ビバホーム」やスポーツ用品店、飲食店なども入居する大型商業施設の3階に位置する。

生鮮市場TOPビバモールさいたま新都心店
生鮮市場TOPビバモールさいたま新都心店
●所在地: 〒330-0071埼玉県さいたま市浦和区上木崎1-13-1
●改装オープン日: 2022年4月20日
●営業時間: 9:00~21:00
●駐車台数: 737台(施設共有)
●電話番号: 048-815-8090

 最寄り駅はJR各線「さいたま新都心」駅で、そこから南側に10分ほど歩くと到着する。駅の反対側には「ライフさいたま新都心店」も入居する大型商業施設「コクーンシティ」があるものの、ビバモールさいたま新都心店の近くにはコンビニエンスストアも含め食品を購入できる場所が見当たらない。オフィスや行政施設、住宅が多いにもかかわらず、意外に買物に困るエリアなのかもしれない。

 ビバモールさいたま新都心店の売場を見ると、まずその繁盛ぶりに驚いた。平日の午前中にもかかわらず、お客がどんどん店内に入っていく。私は業態転換前の同店も見たことがあるが、以前は活気があるとはいえなかった。駐輪場にも多くの自転車が並んでおり、近隣住民に当てにされる店舗になったのだとみられる。

 マミーマートの公表資料では、「生鮮市場TOP」のコンセプトは「行くのが楽しくなる食の専門店」、キャッチコピーは「他にはない買い物体験を」とある。日配品や加工食品ではEDLP(エブリデー・ロープライス)で地域最安値を訴求し、生鮮食品では価格だけでなく鮮度や品質にもこだわるフォーマットのようだ。業態転換した店舗の中には、転換前の2倍に売上が増えたところもあるという。

生鮮食品では低価格と品揃えを両立

 ビバモールさいたま新都心店の売場

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

1 2

解説

海蔵寺りかこ / KTMプラニングR 代表

食品コンサルタント
1級色彩コーディネーター、カラーデザイナー、UCアドバイザー

株式会社KTMプラニングR代表。大阪府吹田市出身、太陽の塔を眺めながらバレーボールに明け暮れる少女時代を過ごす。ダイヤモンド・チェーンストア誌連載「販促の強化書」、店舗調査解説などを執筆。JA全農にてさまざまな国産農畜産物のSPA化と向き合う。惣菜メーカー、食品スーパー、データ分析等の各企業のサポートや各種セミナーも開催している。

KTMプラニングRホームページ

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態