重点エリア、柏市の既存店を改装! マミープラス3号店の売場を解説

2023/10/19 05:59
矢野清嗣
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マミーマート(埼玉県)は7月15日、千葉県柏市の既存店を改装し、ディスカウント型の新フォーマット「マミープラス」の3号店としてリニューアルオープンした。マミーマートの重点エリアである柏エリアの新たに誕生した同店はどのような店なのか。売場を調査した。
調査日=8月29、9月4日、7日 ※本文中の価格はすべて本体価格

マミープラス柏根戸店の外観

重点エリアの既存店をマミープラスに転換!

 マミーマートが7月に改装オープンした「マミープラス柏根戸店」(柏根戸店)は、JR常磐線「北柏」駅から直線距離で約900mの場所にある。千葉県の北西部に位置する柏市は、東京都心部へのアクセスの良さからベッドタウンとして発展してきた経緯があり、人口は約43万人と中核市の位置付けとなる。

 意外に思う人が多いかもしれないが、柏市はマミーマートの重点出店エリアの1つだ。現在、埼玉、千葉、東京、群馬、栃木の1都4県に78店舗を展開しており、そのうち柏市内の店舗数は8店舗と、本社を置くさいたま市(7店舗)よりも多く、市町村別で見ると最も多い。重点出店エリア内の既存店を新フォーマットに転換し、競争力アップを図りたいという同社のねらいが透ける。

 2013年開業の「マミーマート」屋号の店舗をリニューアルするかたちでオープンした柏根戸店。同店がある根戸地区は、近年競争が激化しており、柏市に本部を置く地場チェーンの三和グループが「おっ母さん食品館北柏店」を2018年12月にオープン。22年4月には有力スーパーのベルクが、柏根戸店から約1.5kmの場所に「フォルテ我孫子店」を出店。同地区へのベルクの進出が「マミープラス」への転換に決め手になったと見ていいだろう。

 マミーマートが「マミープラス」の展開をスタートしたのは、2022年5月のことだ。千葉県流山市の既存店を「マミープラス西平井店」にリニューアルしたのを皮切りに、同9月には埼玉県戸田市に2号店となる「マミープラス下戸田店」を改装オープン。今回リニューアルした柏根戸店の売場配置、商品構成は、この2号店をベースとしており、既存のマミープラスフォーマットに一定の手応えがあったと見ていいだろう。

売場の軸は青果と総菜!?

 「マミープラス」フォーマットのコンセプトは「安心・健康をプラス」「美味しさをプラス」「満足をプラス」だ。根戸店の売場面積は約520坪(歩測)と、改装前から若干拡大しているようだ。売場スペース構成比は生鮮が21%、日配が23%、合計44%と一般的な食品スーパーと変わらない。非生鮮合計は56%で、加工食品の割合が31%と高い。生鮮4部門の売場スペース構成比は、青果が39%、精肉が21%、鮮魚が14%、総菜が26%で、青果と総菜が軸となっているようだ。

 導入部の売場は、右壁面の約104尺のスペースを使って、焼き芋を先頭に、トマトやレタス、ブロッコリー、カット野菜を販売。続けて、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜、椎茸などの茸類、タマネギやジャガイモなどの土物野菜につなげている。トマトは12社を使って、1個98円、5個298円、ミニトマト1パック238円など22品目をラインナップ。キュウリは1本58円、レタスは1玉128円と価格訴求もうまく絡めており、多くのお客が手に取っていた。

茨城県産の緑豆もやしは1袋18円で提供する

 対面の平場では、前方46尺でブドウや桃、梨など旬果実、キウイやバナナといった輸入果実に揃える。中通路を挟んで後方30尺では、目玉商品を配置しており、調査日は、とうもろこし(1本88円)を先頭に、キャベツ(1玉128円)、大根(1本158円)と続き、最奥ではもやし(1袋200g:18円)を販売する。

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