「2018年秋・冬新商品ヒットランキング」ウイスキー部門第1位

2019/08/15 01:00
ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局 文=室作幸江(ライター)

2018年秋・冬新商品ヒットランキング

キリンビール「富士山麓シグニチャーブレンド」

世界最優秀のブレンダーが手がけた富士御殿場蒸溜所ならではのウイスキー

ウイスキー市場が大きく伸長するなか、キリンビールが満を持して投入した国産プレミアムウイスキー「富士山麓 シグニチャーブレンド」が首位を獲得した。熟成年数にとらわれず、原酒の熟成のピークを見極め、世界最優秀のブレンダーが手がけたこだわりの香味がユーザーに支持されたようだ。

富士山麓 シグニチャーブレンド
富士御殿場蒸溜所が誕生して45年目の年に全国発売した「富士山麓 シグニチャーブレンド」

モルトとグレーン両方をつくる世界でも珍しい蒸溜所

2018年8月、キリンビールは国産プレミアムウイスキーとして「富士山麓 シグニチャーブレンド」を全国発売した。

「先行して17年4月より、富士御殿場蒸溜所のファクトリーショップとキリンオンラインショップで限定発売を行うとともに、フランスへのテスト輸出もスタート。いずれも好評だったことから、販路を拡大しました」とマーケティング部 洋酒・海外ビールカテゴリー戦略担当の柴田啓佑氏は話す。満を持しての全国発売だったというわけだ。

富士御殿場蒸溜所
富士のふもとに位置する富士御殿場蒸溜所

「富士山麓 シグニチャーブレンド」の魅力を語るうえで重要なポイントは3つある。まず、富士御殿場蒸溜所が原酒のつくり分けができる蒸溜所という点だ。1973年の創業以来、「日本人の味覚に合うウイスキーをつくりたい」という考えのもと、多彩なモルト原酒とグレーン原酒をつくり分けているが、これは世界的にも稀なことだ。そこでつくられたグレーンウイスキー「富士御殿場蒸溜所シングルグレーンウイスキーAGED 25 YEARS SMALL BATCH」は、「WORLD WHISKIES AWARDS」において、16年、17年、19年の3度、世界最高峰に認定されている。

キリンビールマスターブレンダー田中城太氏
アイコンズ・オブ・ウイスキー2017においてマスターディスティラー/マスターブレンダー・オブ・ザ・イヤーを獲得した、キリンビールマスターブレンダー田中城太氏

また、マスターブレンダーの田中城太氏は「ICONS OF WHISKY 2017」において、「マスターディスティラー/マスターブレンダー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、世界最優秀のブレンダーに輝いている。

キリンビールはウイスキーメーカーとしては後発だが、世界に誇れる実力を備えており、国内外のウイスキー愛好家からも評価されている。そんな同社がこれまで培った技術やノウハウ、つくり手の想いを注ぎ込んだのが「富士山麓 シグニチャーブレンド」だ。その名のとおり、富士御殿場蒸溜所を象徴するウイスキーである。

熟成のピークに着目し世界最優秀のブレンダーが見極め

2つめのポイントは、熟成のピークを迎えた原酒を厳選していることだ。とかくウイスキーは熟成年数で語られることが多いが、同社では創業当初から「熟成にはピークがある」という考え方のもと、原酒によってそれぞれ異なる「熟成度」に着目している。

柴田啓佑氏
マーケティング部洋酒・海外ビールカテゴリー戦略担当柴田啓佑氏

「弊社では、熟成は長ければ長いほどよいというわけではなく、熟成のピークの見極めが重要だと考えています。一概には言えませんが、一般的には熟成期間が長すぎると樽由来の渋みが強くなります。逆に、短すぎると蒸留液の個性が強く出てしまい、粗さを感じる香味になります。ちょうどよいバランスのところが熟成のピーク。『富士山麓シグニチャーブレンド』では熟成のピークにある原酒をさらに厳選し、ブレンドしています」(柴田氏)

3つめのポイントは、こうしたピークの見極めやブレンディングを、世界最優秀のブレンダーである田中城太氏が手がけているという点だ。洋梨などの熟した果実、オレンジピールを想わせるフルーティで華やかな果実香が立ちのぼり、黒糖や焼き菓子のような甘く芳しい風味が折り重なる、複層的で円熟した味わいに仕上げている。

ヒットの最大要因は富士御殿場蒸溜所だからこそつくることができた味わいといえる。

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