米食品EC市場でトップ2を争うインスタカート、時価総額1兆円と評価される背景は

文:鈴木 敏仁 (R2Link代表)
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 即配のインスタカートが昨年9月に上場した。即配業界ではドアダッシュに次いでこれで2社目の上場である。30ドルで公開した株価は一時42ドルまで上昇したが、その後投資企業による利益確定の動きがあって33.70ドルで取引を終えている。この時点での時価総額はおよそ100億ドル(1ドル150円換算で約1兆5000億円)で、その後株価は落ちてこれを執筆している1月下旬時点では73億ドル(同約1兆円)となっている。

 即配企業に日本円で1兆円という時価総額がつくということをあらためて認識していただきたい。この大きな評価には、彼らのビジネスモデルがただモノを右から左へ動かすという単純なものではないという事実が背景にある。

3つの分類からなるビジネスモデル

 同社は上場申請時の目論見書で事業を3つに分類している。即配企業によるビジネスモデルを理解するに非常にわかりやすいのでここで紹介し解説しよう。

インスタカート・マーケットプレイス

 ギグワーカーが

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鈴木 敏仁 / R2Link 代表

在米30年以上、現在はロサンゼルス在住。1997年にアメリカでS.M.R., Inc設立、米国流通業界を軸としたコンテンツ作成ビジネスを開始。また企業が実施する米国流通研修の企画およびコーディネートも合わせてスタート。1998年にリテールウェブを開設。年間訪問店数はのべ600店舗超、現場検証に基づいた分析をモットーとする。

著書

『ソリューションを売れ!』(ニューフォーマット研究所)
『誰も書かなかったウォルマートの流通革命』(商業界)

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